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<山形・庄内町議選定数割れ>議員なり手不足深刻 人材育成へ 議会が工夫を

庄内町議選のポスター掲示板。立候補者は定数16を下回る15人となり、全員の無投票当選が決まった=19日、山形県庄内町

 立候補者が定数16を下回る15人にとどまり、全員が無投票当選した19日告示の山形県庄内町議選は、地方議員のなり手不足が深刻化する現状を浮き彫りにした。町の人口が県内22町村のうち2番目に多く、議会は先進的な調査活動で知られていた。地方議会の選挙制度改革を巡る議論は国主導で進むが、議会活動を通じて持続的に担い手を育てる工夫が求められそうだ。

<報酬21万5000円>
 庄内町は2005年、隣接する余目、立川の2町が合併して誕生した。人口は約2万2000で、県内では一部の市よりも多く、予算規模も大きい。だが、議員の報酬月額は県内最低の21万5000円で、町職員の平均給与に比べても約11万円少ない。
 町内の30代の会社役員は「町長と違って町議の実績は見えにくい。これでは報酬を上げる機運は高まらず、特に子育て世代から町議になりたいという人は出てこない」と指摘する。

<改革の先進地>
 庄内町議会は議会改革の先進地として知られ、早大マニフェスト研究所による全国の地方議会の改革度調査で上位層の常連だ。
 17年度も山形県で2位にランクイン。常任委員会が「空き家の管理」「婚活支援」といった独自の課題を議案審査とは別に調査し、経過と結果を公開する姿勢が高く評価された。
 同研究所顧問で元三重県知事の北川正恭氏は「全国的に議員のなり手不足は危機的状況」と指摘。「先進的な取り組みを重ねる庄内町議会でも、こと議員を育てるという点では断固たる覚悟が足りなかったのではないか」とみる。
 北川氏によると、長野県飯綱町では、議会が住民と政策を共同研究する仕組みを設け、参加者の中から新たな議員を育てるのに成功しているという。

<国も対策検討>
 立候補を見送った副議長の村上順一さん(66)は「家業の農業も厳しい時代で、体力のあるうちに専念しないと集落を守っていけない」と説明。その上で「地方議会をどう維持し、機能させていくか、地方の側から解決策を見つけなくてはならない」と語る。
 地方議員のなり手不足の解消に向けては、総務省が複数の有識者会議を設け、法改正を視野に比例代表制の導入や選挙区の設置、議員の副業制限の緩和などを検討している。

 当選者は次の通り。(敬称略)

 鎌田準一、小林清悟、工藤範子、斎藤秀紀、渋谷勇悦、国分浩実、石川武利、石川保、五十嵐啓一、吉宮茂、加藤将展、小野一晴、阿部利勝、上野幸美、長堀幸朗


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2018年06月20日水曜日


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