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<週刊せんだい>自転車、より快適に(3)10秒点検目、耳、手足で もっと楽しもう

ブレーキがしっかり利くか点検する山口さん。前輪、後輪を片方ずつ、しっかり確認しよう=仙台市青葉区大町の自転車販売店「シクロヤマグチ」
真冬の雪深い山形県最上町で開かれたオフロードのレースに出場した樋口さん=2月下旬(樋口さん提供)
広瀬川河畔を走行する湊さん(右)らメンバー=5月下旬、仙台市太白区八本松辺り(湊さん提供)

 自転車をもっと楽しみたい。そんな人はまず、セルフ点検でしっかり安全を確保しよう。宮城県自転車軽自動車商業協同組合理事長の山口哲男さん(68)に、10秒でできる簡単な点検法と、自分に合った自転車の選び方を教わった。趣味として積極的に自転車を楽しむ人たちも紹介する。

<「自覚足りない」>
 「整備不良のまま走っている自転車を本当にたくさん見掛けます」と山口さん。「ギシギシ」「ガチャガチャ」などと聞こえれば、チェーンが油切れしていたり、伸びていたり。タイヤの空気が不十分なケースも多い。「自転車に命を乗せている自覚が足りない人が多い」と語る。
 自転車の整備不良に対する罰則の規定はないが、ブレーキが利かないなど整備点検が不十分な状態で事故を起こした場合、保険適用の際に不利になることも想定される。そこで山口さんが勧めるのが自分の目と耳と手足を使ってできる「10秒間の点検法」だ。
 まずは目で、さびや汚れ、壊れている箇所がないか良く見よう。次は耳。自転車を少し持ち上げてから落とし、変な音が聞こえないか耳を澄ます。チェーンの伸び、ねじの緩み、かごの破損などがあれば、必ず音がする。空気が不十分なタイヤはボールが弾むような音ではなく「ガタン」と鳴る。
 手足を使って点検するのは、ブレーキがきちんと利いているか。自転車の脇に立ってペダルを踏み、右、左のレバーを握って前輪、後輪それぞれが止まるか確認を。必ず、片方ずつ行うのが肝心だ。

<異変はプロ任せ>
 「何か変だ」と感じたら「自転車安全整備士、自転車安全技師のいる自転車販売店で見てもらいましょう」と山口さん。個人でできるのは油を差す、掃除する、空気を入れるの三つ。それ以外は、プロに任せるのが安心という。
 自転車安全整備士がいる店で扱う点検整備済証「TSマーク」(有料)は損害賠償保険などが付き、有効期間1年。「修理が必要な場合は追加料金がかかるけれど、定期的な点検整備の目安になり、安心して乗れます」と言う。

<目的別に選ぼう>
 自転車を選ぶ際に大事な点は、どんな用途で使うか。買い物、通学、通勤、趣味といった用途によって重視するポイントが変わり「どの自転車を薦めるか変わります」と山口さんは話す。
 通学用は特に、雨の日も風の日も毎日乗るため自転車が消耗しやすい。頑丈さが何より大切で「安価な自転車は残念ながら持ちません」。荷物が多くなりやすいため大きなかごも必要だ。自宅が遠い高校生は電動自転車を選ぶケースも増えているという。
 用途に合う自転車のタイプが分かったら、好みや予算で候補を絞り込み、色や、体に合ったサイズを選ぼう。女性は男性に比べて、小柄で力が弱い場合が多く、車体が小さい自転車の方が乗りやすい。
 一般的な自転車のサイズを選ぶ場合、サドルにまたがり、両足の親指の付け根が地面に着いた状態でふらつかずに立てればOK。「足の裏がべたっと着くのは低い」と言う。
 ロードバイク、クロスバイクといったスポーツタイプの自転車を通勤用などに使う人も増えているが、選ぶ際は身長、足や腕の長さなどチェックポイントがさらに多い。店で相談してみよう。

◎オフロードバイク/山林や雪原自由に走行

 山奥や雪原、階段、壁など、道路として舗装されていないところ(オフロード)をスイスイ走れるマウンテンバイク(MTB)。仙台市宮城野区の宮城野通沿いに、東北唯一の専門店「Dimension(ディメンション)」がある。
 「MTBは自転車の中で最もメカニカルで、操縦には技術が必要。モータースポーツに近い感覚で楽しめます」と、店を開いて17年になる樋口博一さん(42)。
 深い溝の付いたタイヤの太さが、一般的な自転車(シティーサイクル、約35ミリ)の3倍以上あり、走行時にデコボコを吸収する緩衝装置のサスペンションを持つ。座席をワンタッチで上下できるのも特徴だ。
 来店客は40代以上の男性がほとんど。多くは首都圏からやって来る。「仙台近郊は山が当たり前にあるので、地元の人はかえって関心を持たないのかな…」
 2016年から月1回、秋保地区(太白区)の山林をMTBで巡るツアーのガイドを務めている。「オフロードは取っ付きにくい、と思っていた女性や外国人に好評です。山中をMTBが走ることで、イノシシやクマが人里に降りてくることを防ぐ効果もあるんです」と樋口さんは笑った。

◎ロードバイク/仲間と共に遠乗り満喫

 仙台圏は海も山も川もあり、道路沿いは飲食店が豊富だ。「サイクリングの環境として、非常に恵まれているんです」。仙台市のロードバイク愛好者グループ「Fun Ride SENDAI(ファン・ライド・センダイ)」の世話役を務める会社員湊慎一さん(45)=太白区=は、笑顔で語る。
 「潮の香りや鳥の鳴き声などを五感で楽しみながら、絶妙の速度で遠くまで行ける」のがロードバイクの魅力だという。グループには初心者も多く、「道を教え合ったり景色や達成感を共有したり、仲間と走るとたくさんのメリットがあります」。
 グループは2016年8月発足。20〜50代の約60人が所属し、うち3分の1は女性だ。長距離走行に適した細身のタイヤにドロップハンドルのロードバイクに乗り、月1、2回、宮城県内外へ出掛けている。
 湊さんは東北学院大サイクリング部OBで、今は同部監督。パンクなどトラブル対応も手際よく、グループにとって心強い存在だ。
 湊さんお薦めコースの一つが、若林区と太白区の境にある愛宕橋から広瀬川、名取川沿いを進み、名取市の閖上朝市に至るルート。「ゴールすると、旬の食べ物が待っていますよ」


関連ページ: 宮城 文化・暮らし

2018年06月21日木曜日


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