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<新参が挑む>EMデバイス独立1年 小綿晶彦社長インタビュー 成長加速へ人材育てる

 電子機器制御のリレー(中継)部品の製造大手、EMデバイス(宮城県白石市)は、昨年4月にNECトーキン(同)=現トーキン=から独立した後、好調な業績を維持してきた。世界シェアトップを誇る車載リレーのニーズ急増に対応するため、設備投資や人材確保が喫緊の課題だ。小綿晶彦社長(51)に初年度の事業展開や今後の方針を聞いた。(聞き手は報道部・高橋公彦)

 −独立によって苦労したことは。

<技術革新が必要>
 「営業や人事、総務などの部門を自前で持たなければならなかった。私自身も事業部長から社長になった。営業部門の統括も兼務し、新しい分野にチャレンジしている」
 「基礎研究などはNECトーキン全体でやっていたので、自前の人材育成はこれから。東北大など産学の研究機関との協力も進めている。長期的な成長にはイノベーション(技術革新)が欠かせない」

 −独立後、設備や開発への投資額が3倍に増えた。

 「NECトーキンは素材の特性を生かした製造が特徴だが、EMデバイス事業部は素材を加工する業態であり、毛色が違った。独立してリレーに資源を集中配分できるようになった」

 −昨年7月策定の中期経営計画で売上高300億円以上の目標を掲げた。

<市場拡大に対応>
 「2018年3月期の売上高は約210億円。目標達成には成長を加速させなければならない。電気自動車(EV)の普及や自動運転技術の進展で、車載リレー市場の拡大は続く。当社は欧米に強いが、今後は経済成長するインドや中国などアジア圏に注力する」

 −製品開発の方向性は。

 「現在の車載リレーはパワーウインドーなど快適装備が主流だが、EVならばモーターやセンサーにもリレーが必要になり、市場が広がる。白石工場で生産する通信機器用のリレーは情報セキュリティー分野などに使えないか考えている」

 −リレー機能は半導体でも代替できる。

<上場態勢整える>
 「今はまだリレーより半導体の方が高価で、われわれに優位性がある。さらにリレーは安全性も高い。ただ、半導体はどんどん価格が下がっている。こちらも負けないよう新たな製品の開発を進める」

 −上場の検討は。

 「時期は未定だが、そうしたいと考えている。現在は総務や人事、経理などの各部門で上場に向けた態勢を整えている段階だ」

<こわた・あきひこ>日大卒。1989年NEC東北入社。2008年NECトーキンフィリピン法人ゼネラルマネジャー。15年EMデバイス事業部長。17年4月から現職。51歳。一関市出身。


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2018年06月22日金曜日


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