福島のニュース

<福島県知事選>内堀氏、実績重ね盤石の態勢 調整型政治「突破力不足」の指摘も

再選に向けて立候補を表明する内堀知事

 任期満了に伴う福島県知事選(10月11日告示、28日投開票)で、1期目の内堀雅雄知事(54)が21日、立候補を正式に表明した。手堅い行政手腕に加え、共産党を除く各党が支援する予定で、周囲には楽勝ムードが漂う。ただ「調整型政治」に突破力の乏しさを指摘する声もあり、「もっと県民の声を国にぶつけてほしい」と不満もくすぶる。
 「この際、若干時間を頂き、次期知事選への所信を述べたい」。内堀氏が立候補表明に選んだのは、同日開会した県議会6月定例会の議案説明の最後だった。
 定例会初日の表明には各党への配慮がのぞく。25日に始まる代表質問などで県議からの質問に答える形を取れば、特定の政党との連携が疑われるためだ。
 「県民党」を掲げた佐藤雄平前知事も8年前、同様のフレーズで定例会初日を選んだ。ある県議は「内堀氏も県民党を掲げており、周到に気を配ったのだろう」と推測する。
 「実績を重ねる」という舞台を整えての表明にもなった。5月末には訪問先の米ニューヨークで、県産日本酒の販路拡大を目指すアンテナ店の開設方針を発表。天皇、皇后両陛下を南相馬市に招いた今月10日の全国植樹祭も無事に終えた。
 締めくくりは、東京電力が14日に表明した福島第2原発(楢葉町、富岡町)の廃炉方針だ。
 事故を起こして全6基の廃炉が決まっている第1原発(大熊町、双葉町)を含む「県内原発10基の全基廃炉」は内堀氏の1期目の公約。実績を強調できる絶好のアシストも得た上、「脱原発」を掲げる共産党へのけん制にもつながった。
 県内の各政党や団体も早々に内堀氏支援を表明している。自民党県連は21日、立候補表明直後の内堀氏を懇談会に招いた。根本匠県連会長は「知事はリーダーシップがあり、判断力や構想力が優れている」と持ち上げてみせた。
 死角が見当たらず、盤石のように映るが、内堀氏が周囲との摩擦覚悟で強烈に独自の政策を訴えることは少なく、「物足りない」という評価もつきまとう。
 ある政界関係者は「オール福島で政党色がないのは長所だが、自民党から支援を得ているため国に強く要望できない」と指摘する。
 原発事故後に県内に設置された放射線監視装置(モニタリングポスト)の大半を撤去する原子力規制委の方針への対応に言及。内堀知事が「県民の意向を尊重してほしい」と述べるにとどまっていることに「(撤去に反対している)県民の声をもっと強く国に伝えるべきだ」と注文を付ける。


関連ページ: 福島 政治・行政

2018年06月22日金曜日


先頭に戻る