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<避難確保>防災体制検討に時間 計画作成、仙台では4割弱

避難確保計画が作成できていない仙台市立病院。近くを流れる広瀬川が氾濫した場合、最大3メートルの浸水が想定されている

 水害などに備える避難確保計画は、比較的進んでいる仙台市内でも作成率は4割弱。災害規模や発生の時間帯に応じた防災体制の検討に時間を要している施設が多いとみられる。計画に基づく避難訓練も義務化されたものの実施施設は少なく、実効性に課題が残る。

 仙台市の集計によると、洪水浸水想定区域にある病院・診療所・助産所は17施設。作成済みは4施設にとどまった。
 地域医療、災害時医療の拠点となる市立病院(太白区)も未作成施設の一つ。広瀬川が氾濫した場合の浸水想定は0.5〜3.0メートル。市立病院総務課の担当者は「浸水の高さや浸水時間で対応は異なる。あらゆる想定が必要なため、作成に時間がかかっている」と説明する。
 七北田川の氾濫時に浸水の恐れがある宮城野区の高齢者施設の男性施設長は「夜の避難も考えると職員の態勢づくりが難しい」と苦悩をにじませる。
 避難訓練のハードルも高い。同区にある保育園は近くの中学校を避難場所と定めたが、園児が出向く訓練は実施していない。女性園長は「学校と保育園が互いに年間の行事計画に盛り込まないと実施できない」と打ち明ける。
 太白区茂庭台の「おひさま保育園」は作成対象施設ではないが、土砂災害警戒区域が園舎から数百メートルに迫っていることから計画を整えた。近くの中学校に避難する訓練を計画したが、学校側の了承が得られず実施できていない。
 防災アドバイザーも務める同保育園の吉田亮一理事長(60)は「実際に避難できなければ絵に描いた餅。指定避難場所となっている施設は協力するべきだ」と話した。


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2018年06月24日日曜日


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