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<大阪北部地震>命守れず悔しい 塀以外も点検を

吉田亮一さん

◎15年に危険性指摘/仙台の防災アドバイザー吉田亮一さん

 大阪府北部地震で高槻市寿栄小4年三宅璃奈さん(9)がブロック塀の下敷きになり死亡した事故で、2015年に同校に危険性を指摘した仙台市在住の学校防災・地域防災アドバイザー吉田亮一さん(60)が23日、河北新報の取材に「守れたはずの命。悔しい」と述べた。全国的に校舎内の危険箇所が見過ごされているとして、早急な対応を求めた。(聞き手は報道部・吉田尚史)

 −学校側に具体的にどのような指摘をしたのか。
 「防災教室の講師として同校を訪れ、通学路を点検した。プール脇のブロック塀は古く、非常に圧迫感がある高さ。防犯のためフェンスだった部分に後付けで設置されたとの説明を受けたが、時期を尋ねても把握していなかった」
 「大きな地震で倒壊する恐れがあるため、設置年を調べ、耐震診断を受けるようアドバイスした。市教委は棒でたたくなど簡易な方法で安全確認したというがナンセンス。指摘が生かされず本当に悔しい」

 −今回の事故を機に、全国で通学路の緊急安全点検が進められている。
 「問題は校舎内にもある。建物自体は耐震化が進み、窓ガラスの飛散防止フィルムなども施されているが、教室や廊下の危険性が見落とされている」
 「廊下は消防法で通路・避難路と位置付けられているが、展示物や金魚鉢などが置かれていることもある。家庭科室では棚のミシンが滑り落ちる危険性をいつも指摘している。食器棚を固定していても、観音開きの扉は鍵が掛かっていないと皿が飛び出してくる」

 −どんな対策が必要か。
 「学校は危機感を持ち、想像力を働かせて教室内を360度見渡して点検してほしい。PTAも子どもたちが安全に学べるよう点検に参加すべきだ。安全分野を担当する教員の研修内容も確認が必要だろう」

[よしだ・りょういち]仙台市出身。保育園理事長の傍ら、2009年から15年まで消防庁防災アドバイザー(宮城県登録)。12年から国の実践的防災支援事業に協力し、教員研修会などの講師も務める。60歳。


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2018年06月24日日曜日


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