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<木造住宅耐震化>宮城県内自治体 補助金100万円規模に増

 宮城県内の多くの市町村が本年度、木造住宅の耐震改修の補助事業を充実させ、上限を100万円規模に引き上げた。耐震化に積極的な自治体を対象とした国の支援制度を、東北各県に先駆けて導入した。補助制度は東日本大震災後の2013年度ごろから経済的な理由などで利用が低迷しており、各自治体は新事業をPRしながら耐震化率の向上を目指す。

 対象は1981年5月以前に建てられた木造住宅。新たな耐震基準を満たしていない可能性が高く、地震被害が懸念される。改修費は総額100万〜200万円程度のケースが多いとされる。
 耐震改修の補助は前年度まで、多くの市町村で最大50万〜60万円程度で、補助率も工事費の最大50%だった。本年度は多くの自治体が上限を100万円とし、補助率も80%とした。一緒にリフォーム工事をする場合、県の追加補助制度(最大10万円)も利用できる。
 改修前に市町村の窓口に申請し、耐震診断を受けることが補助の条件。診断にも助成制度があり、自己負担は8000円〜1万7000円程度となる。
 補助拡充で、県や各自治体は国が1戸当たり最大50万円を負担する新たな支援制度を活用した。戸別訪問による耐震化の呼び掛けや、改修事業者の技術講習会も同時に進める方針だ。
 木造住宅の耐震化補助について県内の利用件数はグラフの通り。診断は11年度、改修は12年度をピークに減り、用意した予算が余った年度もあった。
 県建築宅地課は「所有者の高齢化や経済事情のほか、震災の大きな揺れに自宅が耐えたという認識がある」と説明。「次の大地震で被害を受ける可能性はあり、補助事業の活用を検討してほしい」と呼び掛ける。本年度は、前年度比約3倍となる約300件の耐震改修助成を見込む。
 国が5年おきに調査する耐震関係の統計によると、県内の住宅の耐震化率は84%(13年調査、推計値)。現行の耐震基準を満たしていない木造住宅は約13万戸あるとみられ、県は耐震化率を20年度に95%以上とする目標を掲げる。

<実施割合高まる/田中礼治東北工大名誉教授(建築耐震工学)の話>
 県内の住宅耐震化率は他県に比べて高いが、ここ数年は改善のスピードが緩やかだった。耐震改修の補助金引き上げは有効な手だてとなる。自治体と業界団体が連携し、安価で効率的に耐震化できる工法を普及させる必要もあるだろう。


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2018年06月25日月曜日


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