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<サン・ファンパーク>初の結婚式 復興支援ボランティアが縁結ぶ

サン・ファン・バウティスタパークでの結婚式であいさつする今村さん夫妻

 宮城県石巻市渡波の宮城県慶長使節船ミュージアム「サン・ファン館」に隣接する市サン・ファンバウティスタパークで今月、1996年の開園以来初の結婚式が開かれた。挙式したのは東日本大震災直後に出会ったボランティア同士。大勢の祝福を受けた2人は地元食材を使った料理を提供する飲食店を市内に構え、街の復興とともに歩んでいく。

 2人は今村正輝さん(37)と妻由紀さん(30)。式はパークの広場で9日にあり、復興支援に携わった友人や由紀さんの出身地、渡波地区の住民ら約250人が出席。料理人仲間が腕を振るい、夜は約100発の花火が打ち上げられた。
 今村さんは千葉県出身で2013年に和食店「四季彩食いまむら」を開いた。オーナーシェフを務め、昨年7月に入籍した由紀さんと切り盛りしている。
 今村さんが石巻市を訪れたのは震災後間もない11年5月。壊滅的な津波被害を受けた渡波地区でがれき撤去に携わった。由紀さんの母親が地元で営んでいた美容室の再建に今村さんが関わったのが2人の出会いだった。美容室は2カ月ほどで再開。同様にボランティアをしていた由紀さんは今村さんの人を引き付ける力にひかれていったという。
 料理人だった今村さんは自分の店を持つ夢を石巻でかなえようと決意し、移住した。復興支援を通じて知り合った漁師や農家との人脈を生かし、地元の旬の食材を仕入れた。
 由紀さんは開店早々からおかみとして支えた。常連客は順調に増え、昨年7月出版の「ミシュランガイド宮城2017特別版」で紹介されるまでになった。
 パークでの式は由紀さんが「小さな頃からよく遊んだ場所。(老朽化した)サン・ファン・バウティスタ号も見納めになるかもしれない」と考え、提案した。
 今村さんは式の会場で「石巻が好きで移住した上、2人の縁がある渡波で式を挙げられた。支えてくれた多くの仲間に感謝したい」と感慨深げに話した。
 店は現在、秋の再開に向けて改修中。2人は全国のシェフ仲間や食材の仕入れ先などを巡る旅に出た。各地でイベントなどを開き、石巻の食材を持ち込んでPRするという。
 「わざわざ石巻まで来てくれる店を目指す。レベルアップして帰ってきたい」と今村さん。これからも夫婦で石巻を盛り上げるつもりだ。


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2018年06月26日火曜日


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