宮城のニュース

<伝えるカフェ>震災経験 女性同士で共有 参加者の声を記録集に 仙台のNPO

東日本大震災の経験を語り合う参加者=4日、仙台市青葉区のエル・パーク仙台

 東日本大震災の経験を少人数の女性たちで語り合う「伝えるカフェ」に、NPO法人イコールネット仙台(仙台市)が取り組んでいる。昨年10月から不定期に3回開催し、石巻市と仙台市の4人をゲストスピーカーに招いた。今後も回を重ね、ゲストや参加者の声を記録集にまとめる。

 青葉区のエル・パーク仙台で4日にあったカフェでは、市民センター職員林寿子さん(58)=太白区=と、主婦中島はつ子さん(71)=宮城野区=がゲストスピーカーを務めた。
 林さんは中途失明した父親(88)とリウマチを患う母親(84)と暮らす。震災直後は小学校に避難し、周囲に助けてもらいながら両親の世話をしていたが、「迷惑が掛かる」とすぐにアパートに移った。
 地震で自宅は屋根がねじれ、全壊判定を受けた。林さんは「仕事と家の再建で3年間休みなく働き、当時の記憶はほとんどない。親を仮住まいで死なせたくないとの思いで必死だった」と振り返った。
 聴講した11人も「避難を呼び掛けることができなかった多くの方が津波で亡くなった」「仕事で震災発生時に家族と一緒にいられなかったことに今も負い目を感じる」と一言ずつ経験や感想を語った。
 イコールネットは2011年9〜11月、震災で女性が直面した困難を防災に役立てるため、宮城県内の3000人にアンケート。さらに当時の行動を40人から聞き取り、13年と16年に冊子を発行した。こうした取り組みから、実際に語り合う場として伝えるカフェが生まれた。
 宗片恵美子代表理事は「女性は『自分の被害は大したことがない』と言いがちだが、それぞれの震災の経験はとても貴重だ。埋もれさせることなく蓄積し、経験者同士で共有しながら他の地域に伝えたい」と話す。


2018年06月27日水曜日


先頭に戻る