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男鹿観光、誘客策続々 道の駅開館・シャトルバス・自然体験ツアー 地域一体のアピール不可欠

7月にオープンする「オガーレ」。観光拠点として期待が集まる

 秋田県の男鹿半島で観光振興の機運が高まっている。男鹿市では7月1日に「道の駅おが オガーレ」が開館し、観光で活性化を目指す官民連携組織も始動する。東日本大震災の影響もあって減少した観光客を呼び戻せるのか。過疎化が進む地域を再生に導く取り組みに注目が集まる。(秋田総局・鈴木俊平)

<JR駅すぐ近く>
 オガーレはJR男鹿駅の南側隣接地にある。鉄骨2階(延べ床面積約1380平方メートル)の建物にレストランや直売所を併設。急速冷凍設備棟で海産物の食味低下を防ぎ、新鮮な味を提供する。市などが出資する株式会社が運営を担う。
 約200メートル北側にはJR東日本が男鹿駅の新駅舎を整備。案内所などを設け、オガーレの観光拠点化を後押しする。
 県によると、男鹿市への観光客は1998年のなまはげライン(男鹿中央広域農道)の全線開通をきっかけに伸びた。だが震災があった2011年に前年を30万人近く下回る約193万人まで減少。近年回復傾向にあるものの、地域経済を浮揚させるほどの力強さはないという。
 ネックは2次交通の不便さ。男鹿水族館GAOやなまはげ関連資料を集めた男鹿真山伝承館に出向く際、男鹿駅からの移動手段は乏しかった。
 こうした状況を打開しようと、市や県でつくる二次アクセス整備推進協議会は7月、駅からシャトルバスの運行を始める。土日を中心に定額乗り放題とし、男鹿半島に点在する名所を回ることができるようにする。

<潜在能力伸ばす>
 オガーレ開館を活性化の足掛かりにしようと、市は観光地域づくり推進法人「男鹿版DMO」を5月中旬に発足させた。事務局を担う市観光協会の樋野幸哉DMO推進室長は「自然や文化、スポーツを結び付け、観光資源として再生させる」と意気込む。
 なまはげ行事のほか、サイクリングやトレッキングなど男鹿の自然を体感できるツアーなどを企画。留学生の視察ツアーなどを通じてニーズを探り、地域の潜在能力を引き出す。
 男鹿版DMOに参加するアウトドア用品メーカー「スノーピーク」(新潟県三条市)の西野将地方創生室マネジャーは「地域の住民や企業との連携が鍵になる」との考えを示す。
 同社は観光資源とキャンプ体験を組み合わせたツアーを各地で展開。キャンプ場に地元商店や住民を招き、郷土料理の提供や工芸品販売などを行っている。
 そうした経験も踏まえ、西野マネジャーは「地元に利益還元できる仕組みを構築することが不可欠だ」と指摘する。

<商店主ら懐疑的>
 関係業界の期待も高まる。「男鹿は集客イベントもあり、雄大な自然は大きな魅力」と分析するのは、秋田県羽後町で観光振興に取り組むトラベルデザイン(秋田市)の須崎裕社長。「観光客は団体から個人にシフトした。アウトドアを軸に商品開発に取り組む」と語る。
 一方、懐疑的な目を向ける住民も少なくない。
 地域経済は疲弊し、市中心部の商店街は空き店舗が目立つ。店主らには「波及効果は期待できない」「一時的なブームで終わるのでは」との不安が根強い。
 菅原広二市長は「観光振興はさまざまな産業に波及効果を生む」と強調する。地域が一体とならなければ力強い誘客アピールは不可能だ。幅広い住民、関係業界を巻き込む手法が問われている。


関連ページ: 秋田 社会

2018年06月28日木曜日


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