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どうする秋田のクマ対策強化 入山規制は実現困難、看板やおりでは限界 頭抱える関係機関

クマに襲われた可能性がある遺体が23日に見つかった現場近くには規制線が張られ注意喚起の看板も設置された=26日、仙北市田沢湖玉川

 クマが人を襲う事故が起きたとみられる秋田県内で、山菜採りなどで入山しようとする人の安全をどう守るか、関係機関が模索を続けている。従来より踏み込んだ入山規制を求める声が出たが、入山を許可する制度があって実現は簡単ではない。従来の対策の限界も指摘され、議論は平行線をたどっている。

 道路脇に背丈を超える草木が生い茂る仙北市田沢湖玉川の国道341号。120メートルほど入った山林で23日朝、5日前に山菜採りに出掛けたまま行方不明だった秋田市の男性(78)が遺体で見つかった。秋田県警によると、動物に傷つけられたような損傷があったという。
 クマに襲撃された可能性が高いとみて、県は25日に緊急対策会議を開催。林道の通行止めや電気柵設置といった応急策を協議したが、さらに踏み込んだ対策を求める声が上がった。
 「林道だけでなく国道沿いに車を止めて山に入る人も多い。規制を強化する対策が必要だ」と指摘したのは県警幹部。国道沿いの空きスペースの利用を制限して駐車できなくする、徹底的な規制を提案した。
 提案を踏まえ、国有林を管理する秋田森林管理署(秋田市)は26日、空きスペースに規制線を張る取り組みを始めた。後藤敏次長は「設置箇所など全体像を把握し、可能な限り協力したい」と話すが、全面的な入山規制は「管理署単独では判断できない」と言う。
 背景にあるのは仙北市と結んでいる普通共用林野制度。市民が山菜採りなどを目的に国有林に入ることを許可している。市農林整備課の担当者は「締結解消は難しい。捕獲用のおりや注意を促す看板設置などを実施したい」と説明する。
 男性の遺体発見現場近くでは昨年5月にも山菜採り中の女性がクマに襲われて亡くなっている。国道まで30メートルほどの道路に近接した場所だった。
 県自然保護課によると、昨年の事故発生後、山奥に行かずに道路近くで山菜採りをする人が増えたという。しかし、高松武彦課長は「クマの行動範囲は広がっていて、山に入ること自体が危険。対策にも限界がある」と語る。
 仙北市の現場近くでは、14日に山菜採りで入山したとみられる男性も行方不明になっている。


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2018年06月28日木曜日


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