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<企業版ふるさと納税>自治体間で格差 東北の3市はゼロ、一方で1億円超の受領も

レタスなど葉物野菜が育つ湯沢市の農業用ハウス。市のパクチー栽培事業に、昨年度の企業版ふるさと納税額はゼロだった

 自治体への寄付で税負担が軽減される「企業版ふるさと納税」を巡り、東北の自治体の受領額に格差が生じている。寄付の対象となる「地方創生事業」について、昨年度は2自治体が1億円超を得た一方、3市がゼロだった。寄付金の獲得競争は厳しさを増しており、自治体関係者は「『協力は1回限り』という企業も目立つ」と話す。

 河北新報社のまとめでは、昨年度は東北の32自治体が国から地方創生事業を認定され、計4億8482万円の寄付を受けた(金額非公表の秋田市を除く)。受領額の上位と下位は表の通り。
 東京電力福島第1原発事故で大きな打撃を受けた福島県が首位で、ドラッグストア大手のツルハ(札幌市)から1億7000万円を得た。続く同県浪江町は日立化成(東京)から1億1000万円を受け取った。
 3位の岩手県軽米町は4社から計3400万円を受け、子育て支援センターの整備費に充てる。梅木勝彦総務課長は「非常にありがたく、強力に少子化対策を進められる」と感謝する。
 100万円以下の自治体は7あった。寄付がなかったのは陸前高田、大館、湯沢の3市。大館市は造船会社から400万円を見込んでいた。市企画調整課は「お願いしたが、協力いただけなかった」と残念がる。
 石巻市は2016年度の寄付額630万円が、17年度は320万円にほぼ半減した。担当者は「18年度はさらに厳しい」とこぼす。
 制度が始まった16年度に18だった東北の事業認定自治体数は、18年度は43に増加。どこにふるさと納税できるかの企業側の選択肢が広がり、自治体間の競争性が高まっている。
 石巻市によると、全国に事業所を持つ企業からは「一部の自治体への寄付を利害関係者に説明するのは困難」として、断られるケースも出ているという。

[企業版ふるさと納税]国の認定を受けた都道府県や市町村の「地方創生事業」に企業が寄付すると、寄付額の約6割が法人住民税、法人税、法人事業税から控除される。寄付の実質負担は約4割。個人のふるさと納税と異なり、自治体からの返礼品は禁止されている。寄付額の下限は10万円。


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2018年06月28日木曜日


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