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<次世代放射光施設>東北、産学官連携強化を

 次世代型の放射光施設に関する文部科学省小委員会が28日、東北大青葉山新キャンパス(仙台市青葉区)への整備を了承し、世界レベルの分析施設の誘致が事実上決まった。放射光施設が東日本大震災の産業復興の拠点となり、国内産業をけん引する存在となることは東北の産学官の念願だ。そのためにも今後の取り組みが重要になる。
 文科省は施設を「産業利用」に重点を置き、国と産業界との共同整備とした。大企業の利用が確約され、研究開発拠点集積への期待が膨らむ。ただ、大企業はコスト意識が高く、研究開発拠点の分散には消極的だ。放射光施設の成果を東京などの本社に持ち帰られるだけにならぬよう、東北の大学は5年先の稼働を視野に入れ、産学連携の土台を築く必要がある。
 放射光利用は地元企業にとってハードルは高いが、東北経済連合会が開設した小口出資で利用できる「フレンドリーバンク」には宮城県内を中心に早くも35社が出資を決めた。放射光による技術革新で、現在の苦境を乗り越えようとする危機感の表れと言っていい。
 放射光施設が東北に光をもたらすよう、行政は産学任せにせず、出資による地元企業の利用権確保に努めてほしい。企業と人材を育成する施策の展開も急がなくてはならない。(解説=報道部・高橋鉄男)


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2018年06月29日金曜日


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