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<次世代放射光施設>仙台整備案「妥当」来週にも決定

次世代型放射光施設のイメージ図(光科学イノベーションセンター提供)

 国内初となる次世代型放射光施設について、文部科学省科学技術・学術審議会の小委員会は28日、宮城県内の産学官が唯一応募した東北大青葉山新キャンパス(仙台市青葉区)への整備案を妥当とする報告書をまとめた。同省は来週にも正式決定し、2019年度の着工、23年度の運用開始を目指す。東北に最先端の研究開発拠点が誕生する見通しが立った。
 小委員会は提案を妥当とした理由について、東北大の交通アクセスの良さや市内に産学官金の集積が一定程度あること、既に民間企業約50社が1口5000万円の出資を決めたことなどを挙げた。財源負担に関する宮城県と仙台市の対応も評価。両者は審査過程で財源負担の具体額を示し、全体の資金調達が進まない場合は「責任を持って負担する」と表明した。
 文科省は1月、放射光施設を官民共同で整備運営すると決め、パートナーを公募。産学連携組織の光科学イノベーションセンター(仙台市)が3月に県、市、東北大、東北経済連合会と共同で応じ、仙台への施設整備を提案した。
 整備費は用地造成費22億円を含め約360億円で、国は加速器整備などで190億〜200億円を拠出。センター側は加速器本体を収容する建屋建設など160億〜170億円を負担し、うち企業出資で約72億円を賄う見通し。
 記者会見した小委員会主査(座長)の雨宮慶幸東大大学院特任教授は「産学連携の推進などを意欲的に提案し、パートナーとしてふさわしい。人材育成にも期待したい」と述べた。
 国側の整備運営は量子科学技術研究開発機構(千葉市)が担う。

[放射光施設]リング型加速器で電子を光速で回し、方向を曲げた時に発する放射光を使い、ナノレベルの物質解析をする。巨大な顕微鏡とも言われ、国内に「スプリング8」(兵庫県)など9施設ある。次世代型施設は物質の機能を見る「軟エックス線」領域に強みがあり、スプリング8の100倍明るい光を使う。高性能の触媒や磁石、新薬などの開発が期待される。


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2018年06月29日金曜日


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