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<旧優生保護法>「やっと光見えた」宮城の70代女性

横断幕を掲げて仙台地裁に入る原告弁護団ら。全国で提訴の動きが広がりつつある=5月17日

 「やっと光が見えた。苦しくても諦めずに訴え続けてきてよかった」。自民、公明両党の合同ワーキングチームが旧優生保護法下の強制手術を巡る司法判断を待たずに被害者救済に乗り出す方針を固めたことを受け、5月に国家賠償請求訴訟を仙台地裁に提起した宮城県の70代女性が声を詰まらせた。
 女性は県精神薄弱更生相談所(当時)で知的障害と診断され、16歳で卵管を縛る不妊手術を受けた。子を生めない体を敬遠され、3度の離婚を経験した。「人生を返してほしい」。街で親子連れを見掛けるたび、胸が張り裂けそうになるという。
 旧法が差別的規定のない母体保護法に改定された1996年以降、1人で国に謝罪を求め続けた。「乳がんを抱え、いつまで生きられるか分からない。補償も大事だが、一日でも早く国に過ちを認めて謝ってほしい」と訴えた。
 同種訴訟の原告は現在、全国で計7人。審理が先行する仙台地裁は13日の口頭弁論で、強制手術について憲法判断に踏み込む意向を示唆。提訴の動きが拡大し、司法が国の責任に厳しい目を向け始めたことが救済の流れを生んだ。
 女性を支えてきた新里宏二弁護士(仙台弁護士会)は「被害者は高齢化しており、早期解決に向けた動きは歓迎したい」と評価しつつ、「憲法違反の法律下で人権侵害の手術がまかり通っていた事実と、国と国会はきちんと向き合うべきだ」と指摘。「救済措置は被害者への真摯(しんし)な謝罪を前提に考えなければならない」とくぎを刺した。


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2018年06月29日金曜日


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