
<岩手・田野畑村>泳ぎ覚えて 小中学校プールなし 既存海水浴場は工事中 机浜に臨時海水浴場を開設
東日本大震災で被災した岩手県田野畑村が今夏、震災後初となる海水浴場を机浜に臨時開設する。村内にある既存の海水浴場は復興工事でいまだに利用できない状態。海に面しながら泳ぎの苦手な子どもたちもいて、石原弘村長は「命に関わる問題で、放置できない」と話す。
村によると、机浜は40〜50年前まで海水浴場として利用されていたという。津波で全壊し、2015年に復活したにぎわい拠点「机浜番屋群」に隣接する。
海水浴場は更衣室とシャワー設備を備え、NPO法人「体験村・たのはたネットワーク」が運営する。期間は7月26日〜8月16日。
村にある平井賀、島越の両海水浴場は復興工事で現在も閉鎖中。そこで村は、既に工事を終えた机浜に白羽の矢を立てた。
夏場の観光客増を期待する声もあるが、それ以上に村が重視しているのは小中学生の「水泳」事情だ。
村の小中学校はプールを備えていない。震災前の子どもたちは夏になると目の前の海に親しんで泳ぎを覚えてきたが、現在は2、3回、岩泉町まで通って水泳の授業を行っている。
震災以降、泳げない村民が増えたと実感する石原村長は「海水浴場の開設を貴重な機会にしてほしい」と期待する。
2018年06月29日金曜日