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<金のさんま>ファン拡大へ 被災した気仙沼の「斉吉商店」、日本橋三越に7月常設店

東京に常設店舗をオープンさせる「斉吉商店」の商品

 東日本大震災で被災した宮城県気仙沼市の水産加工会社「斉吉商店」が来月、東京都中央区の日本橋三越本店に常設店舗をオープンさせる。震災直後に失った販路を取り戻そうと東京で出張販売を続け、縁ができた。気仙沼港に水揚げされた新鮮な魚を使った商品を、首都圏の消費者に提供する。
 1921年創業の同社が市外に出店するのは初めて。オープンは震災から7年4カ月となる7月11日に決まった。地下1階の食品売り場の一角に冷蔵ケースを備え、パートを含む4人で販売する。
 津波で被災しながら、社員が秘伝のたれを持ち出して味を守った看板商品「金のさんま」など約50種類を並べる予定だ。
 同社は津波で工場と倉庫、店舗を失った。2011年7月に製造を再開したものの、市内の販路は途絶えたまま。東京都内のデパートで行われる期間限定の即売会に活路を探った。
 当初、首都圏の購買客は被災地支援が目的とみられたが、味に満足し、インターネット通販で再購入してくれるケースが増えた。口コミでデパート関係者に伝わり、首都圏、大阪などの催事に参加する機会が増加。14年から日本橋三越との付き合いもできた。
 日本橋三越側からは、15年ころから「いつか一緒に常設店舗で仕事がしたい」と誘われていたという。食品売り場に空きができた昨年暮れ、正式に依頼を受けて快諾した。
 日本橋三越の担当者は「鮮度の良い海産物を使った商品が提供できる。(斉吉商店は)常に消費者の思いを考えながら工夫した商品づくりに取り組んでいる」と評価する。
 現在、斉吉商店の売り上げは震災前の8割。東京進出で新たなファンの掘り起こしを目指す。斉藤和枝専務(56)は「全国にはまだ三陸の魚介のおいしさを知らない消費者は多い。丁寧に加工した商品を東京の人たちに楽しんでもらいたい」と話した。


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2018年06月30日土曜日


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