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<W杯日本16強>あの日、支えてくれた選手が躍動 被災地から称賛「復興への思い体現」

被災した子どもたちのため、本田選手が寄贈した「ホンダファミリアフットサルコート石巻」=宮城県石巻市総合運動公園内

 サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会で日本代表が決勝トーナメント進出を決めた29日、選手から支援を受けた東日本大震災の被災地や選手の出身地から、活躍を称賛する声が聞かれた。

 本田圭佑選手は2013年、被災した石巻市に全面人工芝で夜間照明を備えたフットサルコートを寄贈した。「ホンダファミリアフットサルコート石巻」と命名され、市内のサッカーチームなどが使用している。
 整備費用には、本田選手が震災支援のため設立した基金などの計1800万円が充てられた。贈呈式には「夢が君たちを強くする」とのメッセージも寄せられた。
 同市のサッカースクール「FC FORZA(フォルツァ)」の佐藤直人代表(36)は「震災後はグラウンドがなくて困っていた。コートがなかったら活動できなかった」と感謝。「本田選手が活躍して1、2戦は勝ち点が取れた。ベルギー戦も勝ってほしい」とエールを送る。
 GK川島永嗣選手は15年6月、震災で打撃を受けた岩手県大槌町の放課後学習支援拠点「大槌臨学舎」を訪れ、中学生約30人と語り合った。
 家族の反対を押し切りプロになったものの出場機会に恵まれず、代表でも試合に出られなかった経験を紹介。「挫折しても諦めなければ道は開ける」とユーモアを交えて説いた。サインを求める中学生に丁寧に対応したという。
 支援拠点を運営するNPO法人に関わっていた菅野祐太さん(31)は「努力で挫折を乗り越えてきた姿勢に子どもたちは刺激を受けた」と振り返る。
 初戦、第2戦の守備に批判が出たが、第3戦ではファインセーブを見せた川島選手。菅野さんは「腐らずに結果を出した姿に、まさに大槌で語った言葉を体現してくれたと感じた。次戦も諦めずに戦ってほしい」と期待した。
 柴崎岳選手(ヘタフェ、青森山田高出)の出身地、青森県野辺地町では1次リーグ第3戦のポーランド戦のパブリックビューイング(PV)を実施。中谷純逸町長は「負けたが、決勝トーナメントに進むための戦術は間違っていなかった。次のベルギーは強いが日本初のベスト8に入ってほしい」と気持ちを込める。
 地元のサッカークラブ野辺地SSSで小学3〜6年時に柴崎選手を指導した橋本正克さん(58)は「教え子が日の丸を背負って戦う姿は夢にも見なかった。岳にボールが回るとチャンスが広がっていた」と喜ぶ。
 同町のペットショップ経営山崎和香子さん(50)は「昔から知る柴崎選手の活躍は町民の誇り。けがに気を付けて次戦も頑張ってほしい」と話した。


2018年06月30日土曜日


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