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雑木林伐採で土砂崩れの懸念 保水力低下を周辺住民不安視 地権者は対策工事「安全」 仙台・八幡

対策工事後の伐採地。斜面に住宅が近接している=6月26日

 仙台市青葉区八幡6丁目の住宅地近くの雑木林が伐採され、周辺住民が土砂崩れを懸念している。雑木林は国が指定した地すべり防止区域に隣接。木がなくなったことで、地盤の保水機能が低下する恐れがあるためだ。地権者が対策工事を施したが、住民の不安は解消されていない。
 伐採されたのは、地区内の文殊菩薩(ぼさつ)堂(文殊堂)裏側の斜面にあった約6600平方メートルの雑木林。カエデやコナラなどの広葉樹が生い茂っていたが、地権者がほぼ全ての樹木を切り出した。現在は木の切り株が点在。重機が通り、むき出しになった土が帯状に幾重にも横断している。
 斜面の下には住宅地が広がり、北側の一帯は国土交通省が地すべり防止区域に指定している。大雨が降ると雨水や土砂が住宅地に流れ込み、6年前には床下浸水もあったという。被害に遭った主婦(82)は「大雨の時には土のうを積んでいた。雨が降ると心配で眠れない」と漏らす。
 住民らによると、伐採は昨年10月に開始。地権者から「サクラを植えるため木を切る」と連絡があった。同12月、文殊堂敷地内の木が無断で伐採されたことが分かり、トラブルに発展した。
 周辺の私道を管理する住民団体「文殊道路組合」会長の男性(82)は「木を全部伐採するとは聞いていない。事前に住民向けの説明会もなかった」と憤る。
 地権者の男性は取材に「雑木林が感染症のナラ枯れだったので全部切った。サクラを植樹するつもりだったが、住民から文句を言われ、やる気がなくなった」と説明。保水機能低下の懸念に対しては「表土を削っておらず、雑草や木が生えてくるので安全だと思う」と話した。
 地権者と住民の折り合いが付かず、間に入った市農林土木課は5月、表土の露出部分をわらで覆うなどの対策を提案。同課は「土砂崩れの可能性は低い」とみるが、住民からは「わらで覆うだけの対策では不十分だ」「梅雨時で不安」などの声が出ている。
 ある住民は「太陽光発電施設を計画していると地権者から直接聞いた。開発目的の伐採だったのではないか」と指摘。地権者の男性は取材に「計画はない」と否定している。


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2018年07月01日日曜日


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