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スマート農業で生き残り 自動化進め効率向上 花巻市、システム整備や補助創設

自動運転装置付きトラクターのデモンストレーション

 農家の高齢化や担い手不足を補おうと、花巻市が情報通信技術(ICT)を活用したスマート農業の普及に力を入れている。先行する農業法人は利点を強調するが、零細農家は設備投資に及び腰。市は「選択と集中」で地域農業の生き残りを模索する。

 市内の畑で6月中旬、自動運転装置付きトラクターによる大豆の種まき作業が地元農家に公開された。
 衛星利用測位システム(GPS)に加え、市が1400万円を投じて設置した地上基地局4基が平野部の農地ほぼ全域をカバーして位置情報を補正する。耕作する際の誤差はわずか2センチにとどまるという。
 既にシステムを導入している農業生産法人「アグリスト」の高橋章郎社長は「自動化により経験が浅い人でも効率良く作業ができる」と説明。「肥料の散布むらが減って経費削減も期待できる」と話す。
 一方、作業を見学した農家の男性は「うちは一つ一つの農地が狭いから」と大規模農地を前提としたシステムに冷ややかな視線を向ける。零細農家にとっては計約300万円という投資も大きな負担だ。
 それでも市は2017年度、システム導入に上限100万円の補助制度を創設するなど大規模効率化に積極的。本年度は農作業にドローン(小型無人機)の活用を促すとして教習費の補助も始めた。
 市農政課によると、15年の農業従事者は6581人で、10年に比べて1400人減少した。平均年齢は68.2歳。この10年で市内の耕地は約300ヘクタール減った。
 藤原康司農政課長は「地域の農業を維持するため的を絞って重点的に補助する必要性が高まっている。設備だけでなく、経営知識や技能習得の支援も継続したい」と話す。


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2018年07月02日月曜日


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