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<福島競馬場100周年 ターフと共に>(5完)後藤 浩之場長に聞く/若者呼び 地域に貢献

開幕した夏の福島競馬2日目のメインレースの表彰式で、優勝馬に拍手を送る後藤場長=1日、福島市の福島競馬場

 日本中央競馬会(JRA)の福島競馬場(福島市)は開場100年を迎え、新たな一歩をスタートさせた。取り巻く環境は刻々と変化。インターネットによる馬券購入の増加などで、来場者は減少傾向が続く。地域との関係や今後の展望などを後藤浩之場長(55)に聞いた。(聞き手は福島総局・柴崎吉敬)

 −100周年を迎えた。
 「開催時の渋滞などをはじめとする負の側面がある競馬場を、福島の方は『地域の象徴の一つ』と捉えてくださっている。『競馬場と町のにぎわいは一体』という感覚があるようで、とても温かいと感じている」

 −東日本大震災と東京電力福島第1原発事故を乗り越えてきた。
 「競馬場を避難所として提供したことは、われわれの当然の役割。職員も地域の皆さんも、結び付きを再確認する機会になった」

 −2017年の来場者は約74万人で、10年間で20万人減った。観戦スタイルも変化している。
 「昔のような泊まりがけではなく、日帰りの観戦が普通になった。地元への経済効果も『昔通りに』とはいかない。地元を大切にすることを前提に、変化に柔軟に対応し、新たなファンを開拓する努力が必要だ」

 −ターゲットは。
 「10〜20年先や100年先にも『福島の象徴』と言っていただくには、若い世代のファンをつかみ、定着してもらう必要がある。昔から思い入れを持って支えてきてくださった地元の方々だけに、いつまでも甘え続けてはいられない」

 −具体策は。
 「繰り返し来場してもらい、楽しかったと広めてもらいたい。それには不愉快な思いをさせないことが大事だ。例えば馬券の買い方を一から教える『ビギナーズセミナー』には、初心者が『よく分からなくてつまらなかった』とならないようにする目的がある。競馬へのハードルを下げたい」

 −県外での周知活動にも力を入れている。
 「特に仙台圏というマーケットは重要だ。若い層が多く規模も大きい。外から人を呼び込むことは、競馬を知らない地元の方々が注目してくれるきっかけにもなる。地域への貢献にもつながると考えている」

 −次の100年に向け、どんな取り組みが必要か。
 「イベントを試みても、若い層にはまだまだ情報が届いていないと実感する。大きく網を広げ、さまざまな角度から競馬場の魅力を発信していきたい。もちろん、地元に愛される競馬場であり続けるため、地道に取り組んでいく」

[後藤 浩之(ごとう・ひろゆき)]慶応大卒。1986年日本中央競馬会に入り、東京競馬場投票課長、京都競馬場副場長、お客様部販売事業室長などを経て2018年3月から福島競馬場場長。東京都出身。


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2018年07月04日水曜日


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