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<Eパーソン>多様なニーズに対応 キリンビール・杉山和之東北統括本部長

杉山和之(すぎやま かずゆき)一橋大卒。1990年入社。キリン経営企画部主幹、メルシャン執行役員企画部長などを経て、2017年3月から現職。山口県下関市出身。川崎市の自宅に妻を残し、仙台市青葉区で1人暮らし。

 ビール業界は近年、人口減少による国内市場の縮小と、若者のビール離れという二重の逆風に見舞われている。1世紀近くにわたり仙台工場を拠点に生産を続けるキリンビールの杉山和之東北統括本部長(50)に、今後の事業展開などを聞いた。(聞き手は報道部・高橋公彦)

◎キリンビール 杉山和之東北統括本部長

 −大手5社のまとめによると、ビール類の出荷量は昨年まで13年連続で過去最低を更新している。
 「全体の出荷量が落ちている中でクラフトビールは増えている。当社は飲食店向けに1台で4種類のクラフトビールを味わえる小型ディスペンサー『タップマルシェ』を開発した。今春に全国展開し、東北で導入した飲食店は100店を超えた。売り込みを強め、年内に300店まで伸ばしたい」
 「全国のクラフトビール醸造所と提携し、タップマルシェで扱う種類は20をそろえた。スタンダードなビールだけでなく、いろいろな味や香りを楽しみたいというニーズに応え、ビールを楽しむ文化を広げたい」

 −今年に入りビール以外にも次々と新商品を出している。
 「3月に第3のビール『本麒麟(きりん)』を発売した。爽やかで上質な苦みが特長のドイツ産ホップを一部使用し、長期低温熟成した。力強いコクと飲み応えがあり、ビールに近い味を再現できた。商品名には『本家のキリン』という意味を込めた。出だしは好調で、製造を当初の6工場から9工場に増やして対応している」
 「4月に発売した缶酎ハイの『キリン・ザ・ストロング』はアルコール度数が9%と高く、手頃な価格で酔えると支持されている。競合他社も類似商品を投入している成長市場だ」

 −1983年に仙台市宮城野区港に移転した仙台工場が4月で開設95年になった。
 「関東大震災があった23年に稼働し、全国9工場の中で3番目に古い。当時は青葉区小田原にあり、被災した横浜工場に代わって生産と供給を担った」
 「東日本大震災では津波被害を受けたが、地元の支えもあって復旧できた。社員一人一人が感謝の気持ちを抱いて商品を作り、東北の皆さんに地元産のビールとして身近に感じてもらいたい」


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2018年07月05日木曜日


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