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<日本地下水開発>地下帯水層を冷暖房に活用 国内初の蓄熱システム開発

くみ上げた地下水や帯水層注入時の水温などを表示する新システムのモニター=山形市高木

 地下水の流れが遅い帯水層に冬は冷熱、夏は温熱を蓄え、冷暖房に活用する国内初の蓄熱システムを、日本地下水開発(山形市)が新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)や秋田大などと開発した。実験によって、既存システムに比べコスト削減と高熱効率の実現を立証。2019年度販売開始に向け準備を進めている。
 新システムは帯水層に温水と冷水を出し入れする2本の井戸を使う。夏は一方の井戸から地下水をくみ上げ、冷房に使った際の排熱と太陽光で加温し、水温30度前後の状態で他方の井戸から帯水層に蓄える。
 冬は夏に蓄えた温水を井戸からくみ上げて暖房に利用。消雪用ロードヒーティングの熱源に使って10度前後まで下げ、他方の井戸で帯水層に注入する。
 再生可能エネルギーの熱利用はこれまで、費用がかさみ普及の阻害要因になっていた。開発チームは14年に山形市高木の事業所の空調に導入し、実証実験に着手。地下水をくみ上げヒートポンプの熱源に使う一般的なシステムに比べ初期投資で23%、1年間のランニングコストで31%の削減を達成したという。
 熱利用後の水を帯水層に注入する際に十分な圧力が必要になるが、密閉式の井戸の実用化にも成功し課題を解決。冷却・加熱能力が高い専用ヒートポンプも開発した。新システム稼働中の温度変化が帯水層の微生物や水質に影響を与えないことも確認した。
 今後は普及に向けマニュアル作成や宮城県の仙台平野、山形県の村山盆地など東北の5地域で導入適地のマップ作りに取り組む。
 NEDO新エネルギー部の増田敏也主任は「地下資源と太陽光を組み合わせて活用する点で画期的だ。再生可能エネを生かした熱利用システムの普及と市場拡大に期待する」と話す。


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2018年07月05日木曜日


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