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<大川小訴訟>安全確保義務の解釈焦点に 石巻市と宮城県、上告理由書提出

 東日本大震災の津波で死亡・行方不明になった石巻市大川小の児童23人の19遺族が市と宮城県に約23億円の損害賠償を求めた訴訟で、市と県は6日、事前防災の不備を認め約14億3610万円の賠償を命じた仙台高裁判決を不服として、上告受理申立書と上告理由書を仙台高裁に提出した。上告が受理された場合、学校と市教委に高度な「安全確保義務」を課した高裁判決の学校保健安全法を巡る解釈が焦点となる。
 市の代理人弁護士によると、市と県は申立書と理由書で「法の規定は抽象的で作為内容の規範が示されたものではなく、努力義務にとどまる」と改めて主張。高裁の解釈には誤りがあるとした。
 津波の予見では「校舎近くの北上川堤防が津波で損壊して浸水することを想定できた」との高裁の認定に、堤防決壊を予見できる具体的知見は当時存在しなかったと強調。落雷に関する一般的な知見収集の義務を怠った教員らの過失を認めたサッカー落雷事故訴訟の最高裁判決(2006年)や、ハザードマップで予見可能性を判断した過去の津波訴訟との乖離(かいり)も指摘した。
 危機管理マニュアルに、学校から約700メートル離れた「バットの森」を津波避難場所として記すべきだったとした認定にも反論。移動に徒歩約20分を要する上、川沿いの低地を経由する必要もあるため、避難経路として現実的ではなく不適当と主張した。
 申立書と理由書は高裁が内容確認後、1週間程度で最高裁に送られる見通し。


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2018年07月07日土曜日


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