宮城のニュース

<あなたに伝えたい>私はお父さんがずっと一番

庭の畑に植えたイチゴの苗を手入れする祝子さん

◎三浦祝子さん(宮城県気仙沼市)正三さんへ

 祝子さん 農家に生まれたお父さんと結婚して、ホウレンソウとかイチゴとか時代に合わせていろいろと作ってきました。
 海岸から200メートルにあった自宅の作業場で、一緒にイチゴの箱詰めをしている時に地震が起きました。高齢者の避難を手伝うなどしているうちに、津波にのまれたのでしょう。遺体を確認したのは1週間後。眠っているような表情でした。
 あの日は44回目の結婚記念日でした。作業中に「子ども3人がちゃんと独立して良かった。これから仕事の量を減らしてゆっくり暮らそうか」と話し掛けられました。これからの生活に何か思いがあったのか、それとも別れのあいさつだったのかなあ。もう確かめることはできません。
 仕事熱心で頭の回転が速い人でした。機械に強く、農機具なんかは全部自分で直しました。音を聞くだけで、どこの調子が悪いか分かってしまうんです。
 お酒も大好き。イチゴを保管する大きな冷蔵庫に日本酒を入れて飲んだりして。冬は電子レンジで「チン」って。熱かんをつけて飲む姿を思い出します。
 周りには「旦那なんか嫌い」っていう人もいるけど、私はお父さんがずっと一番。本当にいい人だった。穏やかで、何でも受け止めてくれました。
 自宅は津波で流され、農業もやめました。残ったイチゴの苗を新しい家の庭で大事に育てています。思い出すとつらいけど、泣いてばかりいられない。前を向いて生きていくからね。

◎穏やかで何でも受け止めてくれた夫

 三浦正三さん=当時(67)= 気仙沼市杉ノ下の自宅で妻祝子さん(73)と長男夫婦、孫2人との6人暮らしだった。前年まで自治会長を務め、近所の見回りに向かった際、津波に遭ったとみられる。1週間後、近くのお伊勢浜海水浴場で遺体が見つかった。


2018年07月08日日曜日


先頭に戻る