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優良牛を遺伝情報で選抜 岩手県、素質見極め迅速化

 全国トップレベルの肉用種牛を作り出そうと、岩手県が遺伝情報を解析して優良牛を選抜する事業に乗り出した。遺伝情報の本格活用で創出作業は大幅な時間短縮が可能になるという。県所有の優良種牛は高齢化しており、県は「早期に新たなエース格の牛をデビューさせたい」と意気込む。
 事業は3カ年計画で、本年度は種牛の母牛を選抜する。県内全域で登録されている黒毛和種の繁殖用子牛約3000頭から体形の優れた500頭を選定。遺伝情報で素質を見分ける「ゲノミック評価」により10頭程度に絞り込む。
 ゲノミック評価は、DNAの塩基配列を解析して肉の重量や皮下脂肪厚を測定する手法だ。採取した毛根を基に、家畜改良センター(福島県西郷村)などで数値化する。
 従来の評価方法は産んだ子牛の肉質を調べて母牛の素質を見極めていたため判定までに約5年を要していたが、ゲノミック評価は約1年で結果が出る。
 2019年度は選抜された母牛と県の種牛12頭を交配させる。20年度は交配で誕生した雄牛を再びゲノミック評価でふるいにかけ、最も優れた素質を有する1頭を選ぶ。
 県有種牛は「菊福秀」が広く知られ、10年度の全国肉用牛枝肉共励会では子牛が最高賞を獲得した。県内で長く繁殖農家に支持されてきたが、ここ数年は高齢化で徐々に引き合いが減っていた。
 県畜産課の菊池伸也総括課長は「ゲノミック評価は、従来の評価手法と比較しても精度に遜色ないと確信している。選抜作業をスピードアップし、肉の質も量も菊福秀に勝る牛を誕生させたい」と話す。


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2018年07月08日日曜日


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