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<高校野球・東北勢大旗への挑戦>監督の胸の内 花巻東・佐々木監督(09年春)「初めてで落ち着かず」

佐々木洋監督
09年春、清峰との決勝で7回表2死一塁から中越えの適時二塁打を浴びた花巻東の菊池

 春夏の甲子園で準優勝した東北勢の監督は、それぞれの指導方針でチームづくりに取り組み、高校野球ファンを熱くさせた。2003年夏に個性的な選手がそろう東北(宮城)をまとめ上げた若生正広(67)=現埼玉栄監督=、09年春に花巻東(岩手)を岩手勢初の決勝に導いた佐々木洋(42)、11年夏から3季連続準優勝と大暴れした光星学院(青森、現八戸学院光星)の仲井宗基(48)。大旗の白河越えを果たせなかったことについて、3人に胸に秘める思いを聞いた。(スポーツ部・野仲勝敏)

◎油断伝染か 唯一の失投

 花巻東は09年春の第81回選抜大会で左腕菊池雄星(現西武)を擁して決勝に進み、清峰(長崎)に0−1で惜敗した。監督の佐々木は「初めての決勝で私が落ち着かなかった」と敗因を挙げる。
 3度目の甲子園で進んだ決勝は勝手が違った。前日夜は宿舎で取材があったり、当日は試合前のグラウンドでキャッチボールができたり、「いつもと流れが違った。甲子園では普段通りできるかが大きいのに」。清峰の監督は2度目の選抜決勝とあって差を感じた。
 七回の失点は菊池の唯一の失投だった。2死から四球を出し、打席には9番打者。「小さな選手だったので長打が出るとは思わなかった。監督が油断していたから、伝染するように『大丈夫かな』という一球だった」。真ん中高めの速球を捉えられ、中越えの適時二塁打となった。
 甲子園に向かうバスの中、「(相手エースの)今村猛(現広島)から連打は難しい。足を絡めないと得点できない」と選手に話していた。八回の三盗失敗を敗因に挙げる声もあったが、このサインに悔いはない。
 「むしろ、五回終了後のグラウンド整備の時、ベンチで選手を怒ったことが悔やまれる。普段はしないが、直前の攻撃で全力疾走せずにアウトになったことにいらっときた。あれで選手を硬くさせてしまったかも」
 岩手出身の選手だけでつかんだ準優勝はインパクトがあった。神奈川県の高校でコーチ経験を積んだ後、故郷に戻り、「能力のある子はたくさんいる。指導者が頑張らないと」と打ち込んだ成果だった。
 「岩手から日本一へ」を掲げ、「選手は本気で優勝を狙いにいき、負けた後は悔しくて泣いた」。その後は大谷翔平(米大リーグ・エンゼルス)も輩出。「今ではプロ野球選手が目標と口にする岩手の子が増えている」。地元の意識が変わったのは喜びだ。

 ▽第81回選抜大会決勝
清峰  000000100=1
花巻東 000000000=0
(清)今村−川本
(花)菊池−千葉


2018年07月11日水曜日


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