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最上川の河川敷駐車場、隣接する病院職員の車でいっぱい 目的外利用を米沢市が長年黙認か

米沢市立病院関係者の車でいっぱいの最上川河川敷緑地駐車場(写真は一部加工しています)

 米沢市の最上川河川敷緑地(多目的広場)の利用者用駐車場が平日の日中、堤防を挟んで隣接する市立病院関係者の車でいっぱいになっている。河川管理上は「好ましくない目的外利用」(山形県置賜総合支庁河川砂防課)だが、これまで緑地利用者から苦情が出たり、増水で車に被害が生じたりした例がなく、市は長年、現状を黙認してきた。市立病院は老朽化に伴い、敷地内での建て替え構想が進む。青空駐車問題は、果たして解決に向かうのか。(米沢支局・相原研也)

<「近くて便利」>
 緑地は市中心部を流れる最上川の左岸約15ヘクタール。サッカー場などが整備されているが、平日の利用者は多くない。それなのに約200台収容の駐車場はほぼ埋まっていて、多い日は土手にまで車があふれる。
 緑地の駐車場は、市立病院東側入り口から数十メートル。病院の管理職の職員は「入り口から近く便利だから、この十数年毎日利用している」と平然と語る。
 市立病院の職員は約550人で、敷地内にある98台分の職員用駐車場は常に満車状態。道路を挟んで南側にある一般用駐車場(377台分)を利用することもできそうだが、病院まで数百メートルあるため、緑地駐車場を使う職員が多い。
 緑地を管理する市都市整備課によると、これまでサッカー場などの利用者から「駐車場が埋まっていて使えない」といった苦情が寄せられたことはなく、増水で車が浸水する被害も出ていない。
 担当者は「大雨警報が出た場合などは、ゲートを置いて出入り禁止にしている。これまで特に被害や苦情もなかったので問題ないと考えている」と話す。

<利用者に案内>
 河川管理者の県置賜総合支庁は「そもそも病院利用者のための駐車場ではなく、現在の利用状況は好ましくない」(河川砂防課)と指摘するが、米沢市を強く指導する様子でもない。
 南北2カ所の緑地駐車場の入り口には、目的外利用を禁ずる文面も大雨時の避難を促す警告板もない。市立病院のホームページでは緑地駐車場を病院利用者向けに案内してもいる。
 積雪のため一般用駐車場の収容台数が大幅に減る冬場は、病院が独自に緑地駐車場の除雪を行い、駐車スペースを確保している。
 病院職員が緑地駐車場を利用することを禁止し、職員の車が一般用駐車場に流れれば、今度は病院利用者たちが困ることになる。

<800台分整備も>
 老朽化が進む現在の病院施設について、市は2023年までの開院を目指し、民間病院と提携して同じ敷地内で新築する構想を描いている。収容台数約1000台の立体駐車場の整備を想定しており、職員用の駐車場不足は解消しそうだ。
 だが新病院が完成するまで約2年の工事期間中、市は緊急対応として約800台分の臨時駐車場を新たに緑地に整備する計画で、河川敷は現状を大幅に上回る数の車で埋まることになる。
 とはいえ、特に被害者がいないのであれば、市立病院の解体、新築まで青空駐車問題はとりあえず棚上げに−。県と市の対応には、そんな役所の本音が見え隠れする。


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2018年07月11日水曜日


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