広域のニュース

<東北の本棚>基地問題の原点を探る

◎OKINAWA1965 都鳥伸也・都鳥拓也 著 佐野亨 編

 1965年、沖縄県宜野座村で少女が米軍トラックにはねられ死亡した。現場に居合わせた本土出身の写真家嬉野(うれしの)京子さんは少女が横たわる衝撃的な写真を撮り、報道管制を敷く米軍から命を狙われた。脱出して実態を告発し基地反対運動に奔走する。
 本書は北上市在住の双子の映画プロデューサーが嬉野さんから全面的な協力を得て、基地問題の原点を探る映画「OKINAWA1965」(今年2月公開)を製作した過程を紹介する。
 多数の米軍基地がある沖縄では72年の本土復帰後、日米安保条約に基づいて土地提供が続いた。著者は賃貸契約を拒否した反戦地主や弁護士に取材。「問題解決への期待が裏切られ続けた」と経緯を説明する。
 普天間基地の県内移設に反対する運動は保守と革新の壁を越えるとされる。原点は60年代の祖国復帰運動にあった。自民党を離党後の2014年、「オール沖縄候補」として衆院選に当選した仲里利信さんは「辺野古問題は永久に沖縄を切り捨てると言っているに等しい」と国を批判する。
 基地反対運動に参加する若者たちにも目を向ける。子育てをしながら市議になった母親は「ただ子どもたちの未来を守りたい一心」と告白する。
 著者は「沖縄はいまだ米軍統治下の時代から根本的な部分で変わっていない。自分たちも含めてまず知ることから始めよう」と呼び掛ける。結びでは「現地の若い世代に焦点を当てた自作の映画に挑む」と決意を述べる。
 著者は共に1982年生まれ。岩手県西和賀町で活躍する医師に迫る映画「増田進 患者さんと生きる」を製作した。
 七つ森書館03(3818)9311=1944円。


関連ページ: 広域 社会 東北の本棚

2018年07月08日日曜日


先頭に戻る