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<週刊せんだい>終活 自分らしい幕引きのために(2)生前整理 残される者の負担軽く

家財道具や庭木などの生前整理を少しずつ進めている渡辺さん夫妻=宮城県亘理町
優信工房が行った遺品の供養

<家族で話し合って>
 「立つ鳥跡を濁さず」。残される家族のことを考えて生前に身の回りを整える生前整理が、終活の一つとして注目されている。
 生前整理は形見分けと処分、買い取りサービスの利用に大別される。メリットとしては(1)死と向き合う気持ちが整う(2)所有物の区別ができ、相続のトラブルが減る(3)遺族への負担が減る−などが挙げられる。
 2016年1月に男性高齢者の孤立を防止しようと、宮城県亘理町にサークル「亘理男会」が発足した。17年2月には渡辺信秋会長(76)の提案で生前整理などの終活セミナーを開いた。渡辺さんは「東日本大震災以降は死を強く意識し、終活への関心も高まった。独り暮らしの男性高齢者は将来に強い不安を抱えており、みんなで終活を話し合う必要性を感じた」と話す。
 渡辺さんは家財道具だけでなく、丹精込めた庭木や鉢植えの選別も重視している。遺族が、残された庭木や鉢植えの扱いに戸惑うケースもよくあるという。妻の信子さん(76)も夫と歩調を合わせ、趣味で大量に集めた食器や衣類の整理に励んでいる。信子さんは「子どもと相談して本当に必要な物以外は思い切って処分している。気持ちもすっきりする」と語る。
 「生前整理はそのうちにやるではなく、気力や体力が衰える前に家族で話し合って取り組んだ方がよい」。渡辺夫妻は口をそろえる。

<業者への依頼も増>
 一方、少子高齢化社会や核家族化、孤独死の増加などに伴い、自分たちの手に負えなくなり、業者に生前整理や遺品整理を依頼するケースが仙台圏でも目立ってきている。
 仙台市若林区の優信工房は遺品整理士認定協会が推薦する優良事業所だ。千葉優社長(64)と女性社員1人が遺品整理士の資格を持っている。同社は総合リフォーム業を営んできたが、遺品整理の相談が相次ぎ、16年8月から生前整理と遺品整理も業務に加えた。現在は、宮城県内の地域包括支援センターや介護施設などに業務の周知を図っている。
 同社は遺品整理の際、遺族が望めば僧侶を招いて供養するほか、仏壇は必ず「魂抜き」の儀式をする。遺族の立ち会いの下での作業が原則だが、立ち会いが困難な時でも、気になる遺品が出てくると、その都度連絡を取り合うようにしている。遺族が不用品としたものでも確認は怠らない。預金通帳や貴重な写真が見つかることは珍しくないという。
 千葉社長は「生前整理の仕事はまだ多くはないが、遺品整理の依頼は毎月2、3件はある。信頼できる業者に任せれば、心身の負担が減ると思う。物の整理が心の安らぎにつながれば幸いだ」と話している。


 人生の最期を見据えて、自らの身辺整理や相続準備などに取り組む「終活」への関心が高まっている。仙台圏の最新現場を訪ねた。


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2018年07月12日木曜日


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