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<聖火リレー>福島スタート 地元歓迎「勇気湧く」「実情伝えて」注文も

東京五輪で野球・ソフトボールの一部試合会場となる福島県営あづま球場。横断幕や旗で機運の盛り上げを図っている=福島市

 2020年東京五輪の聖火リレーが福島県から出発することが決まった12日、県内では「勇気が湧く」「復興の様子を発信できる」と歓迎の声が上がった。東京電力福島第1原発事故で被災した地域の再生は道半ば。被災者からは「福島の実情が正しく伝わってほしい」と注文も出た。
 「とても喜ばしい。聖火を見られれば勇気が湧く。復興五輪の名称通り、実のある聖火リレーにしてほしい」。浪江町から避難し南相馬市の災害公営住宅に暮らす渡辺幸枝さん(66)は喜んだ。
 若い世代も興奮した。今春富岡町で再開した富岡二小6年の南宇宙(そら)君(11)は「すごい。みんなで走りたい。国内だけでなく世界中に福島が復興していること、富岡で僕たちが元気に学んでいることをPRしたい」と笑顔で語った。
 双葉郡8町村の双葉地方町村会といわき市は、国道6号を縦断する聖火リレーを政府などに要望していた。帰還困難区域の区間は今も歩行者が通れず、ルートに決まれば除染などが加速するとの思いもある。
 町村会長の松本幸英楢葉町長は「福島スタートは大変うれしい。ルートは国道6号を回ってもらえば地域の姿が正確に伝わり、復興の後押しになる。関係機関と調整したい」と話した。
 複雑な思いを抱く被災者もいる。全町避難が続く大熊町から会津若松市に避難する尾内武さん(69)の自宅周辺は、除染廃棄物の中間貯蔵施設予定地。帰還はかなわず、町全域の避難指示解除も全く見通しが立っていない。
 尾内さんは「良い所だけでなく、帰りたくても帰れない住民がいることもきちんと伝わってほしい」と望んだ。


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2018年07月13日金曜日


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