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<変わる小学英語・宮城の教室から>(1)先行実施 授業確立へ手法模索

遊びに誘う英会話表現を学んだ富沢小4年3組の外国語活動の授業。新学習指導要領の先行実施が県内でも始まっている=6月29日、仙台市太白区

 小学校の英語教育が大きく変わろうとしている。2020年度に全面実施される新学習指導要領に基づき、3、4年で外国語活動が導入され、5、6年で英語が正式教科になる。今年4月に移行措置として全国で先行実施が始まった。県内の教室を訪ね、現状と課題を探った。

<発音を復唱>
 仙台市富沢小(児童685人)の4年3組で6月29日にあった外国語活動の授業は、「Let’s play〜(〜をしよう)」がテーマだった。
 学級担任「英語で誘い合い、次の次の時間に本当に遊びます。誰とどんな遊びをしたいか考えましょう」
 児童「サッカー!」
 外国語指導助手(ALT)「Let’s play soccer(サッカーをしよう)」
 児童全員「Let’s play soccer」
 担任「Good!」
 子どもたちはどんどん手を挙げて発言し、ALTの発音を聞いて復唱する。分からない単語はALTに尋ねる。答え方などの表現も学び、教室に活発なコミュニケーションが広がった。
 授業をサポートした後藤恵子教諭(38)は仙台市内で9人しかいない英語専科の1人。担任を持たず、学級担任やALTと指導案を練る。「教えるのではなく、相手にどう言ったらいいかを考えさせる。子どもが主体的に学ぶよう意識している」と強調した。

<新設と倍増>
 学習指導要領改定で、3、4年には年35時間の外国語活動が新設される。5、6年の英語は年70時間となり、これまでの外国語活動(年35時間)から倍増。段階的に「読む・書く」の指導が加わり、小学校で600〜700の単語を学ぶ。
 文部科学省は18、19両年度を移行期間とし、3、4年は年15時間、5、6年は年50時間の授業時間を設定した。県内全ての小学校約380校で、新たな英語教育が幕を開けた。

<評価に課題>
 県連合小学校教育研究会外国語活動部会長を務める富沢小の佐藤智則校長(59)は「混乱する学校もあるかと思ったが、うまくスタートを切れた」と胸をなで下ろす一方、2年後の全面実施を考えると、ため息が出る。「授業時間のキャパ(容量)はもう限界。教員にいかに指導力を付けてもらうか、教科化による成績評価をどうするかも大きな課題だ」
 文科省の17年度調査によると、高校卒業時に求められる英語力(英検準2級程度)を持つ県内の高校3年生の割合は27.9%で、全国最下位。県教委は3月、小中高の連携強化を柱とした英語教育推進計画を策定し、中卒時に英検3級程度、高卒時に準2級程度の達成率を各50%とする数値目標を掲げた。
 県教委の高橋仁教育長は「子どもが英語を抵抗感なく使えるようにしたい。英語への興味や関心が中高でも伸びていけば、目標をクリアできるだろう」と小学英語の拡充に期待する。


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2018年07月15日日曜日


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