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「幻のカゲロウ」東北初確認 登米の自然団体調査がきっかけ

北上川で採取されたアカツキシロカゲロウと卵
アカツキシロカゲロウを観察する「考える会」メンバーら=2017年8月、登米市の北上川

 夏の早朝のわずかな時間しか姿を現さず「幻のカゲロウ」として知られるアカツキシロカゲロウが、宮城県北の北上川流域にも多数生息していることが登米市の自然観察団体の調査で分かった。これまで関東が生息北限とされ、東北で確認されたのは初めて。信州大の研究者が論文発表し、関係者から注目されている。

 アカツキシロカゲロウはシロイロカゲロウ科に属する底生生物。夏の明け方に羽化し、空中で交尾して産卵を行い、数分から数十分で命を終える。
 通常「カゲロウ」と呼ばれるのは、秋の夕方から夜にかけて発生し、河川の橋などに死骸が積もって交通の妨げとなるオオシロカゲロウ。アカツキシロカゲロウは早朝に発生し人目につきにくく、これまで東北での観察記録はなかった。
 登米市の「とよま自然生物を考える会」(秋山薫会長)などが昨年8月、同市東和町から石巻市までの北上川約30キロを水上バイクや車などで観察。同16日早朝に流域で大発生したのを確認した。
 考える会のメンバーで元学校事務職員の西條正典さん(67)は「この地方ではブヨとかブユと呼ばれている。子どもの頃から盆の朝にたくさん発生すると知ってはいたが、アカツキシロカゲロウだったと聞いて驚いた」と語る。
 「昨年は北上川沿いを飛んで遡上した。たくさんのカゲロウが力尽きて川に落ちて水面をたたき、雨が降っているかのような光景だった」と説明する。
 考える会がまとめた観察記録が、信州大理学部の東城幸治教授(進化生物学)の目に留まった。東城教授が論文を書いて昨年10月、昆虫学の専門誌に発表した。
 東城教授によると、アカツキシロカゲロウはこれまで関東・利根川水系の固有種と考えられ、茨城県内までは確認されていた。
 「水生昆虫の専門家や環境アセス関係者も非常に驚いている。考える会の観察記録が全国の研究者に知らせるきっかけになった」と東城教授。「今夏にも北上川の現地に入り、個体の遺伝子など詳細調査をして生息分布解明に挑みたい」と話す。


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2018年07月15日日曜日


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