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<平瀬智行の戦蹴眼>ベルギーを参考に

◎カウンターに磨きを

 ワールドカップ(W杯)ロシア大会はフランスの優勝で幕を閉じた。守備から入る手堅いチームが多かった中、面白いサッカーをやっていたのは2大会ぶりにベスト16入りした日本。攻守にめりはりがあり、レベルの高い相手にもカウンターやパスをつないでゴールに向かう姿勢を表現してくれた。僕がいた時と違って海外で活躍する選手が大半だし、過去最強の代表チームだったと思う。
 その日本を決勝トーナメント1回戦で破り、過去最高の3位となったベルギーはすごかった。特に日本から決勝点を奪った後半ロスタイムの高速カウンターは見事。個々の選手が自分たちで考えて立ち位置を取り、走るコースも完璧だった。J1仙台もぜひ参考にしてほしいプレーだ。
 現在の仙台はポゼッション(ボール保持)こそうまい具合にできているが、いくらパスをつないでも当然ながら無得点では勝てない。「ボールを持っているから大丈夫」と思っては駄目。好機には攻撃のスイッチを入れる意識を共有してほしい。ベルギーのようにゴール前に、せめて4人がなだれ込むような力強いカウンターが必要だ。
 W杯で約2カ月間中断していたJ1リーグ戦も、18日のホーム横浜M戦から再開する。今後の戦いに向け、気になるのは猛暑。自分も経験しているが、比較的涼しい気候の中で練習している仙台は基本的に夏に強いとは思えない。乗り切るためには、割り切って自陣でボールを回したりカウンターを仕掛けたりすることも大事。中断期間中の熊本キャンプではカウンターの練習も取り入れたと聞いている。これまでの強みに、新たな色を加えた戦いに注目したい。
 後半戦のキーマンはFW石原だろう。1トップでつぶれ役として攻守に動き回ることで、他の選手の後方からの攻撃参加が生きてくる。6年ぶりに仙台に復帰したMF関口も頑張っている。現役時代に一緒にプレーした時より経験値が上がり、大人のプレーができている。攻撃的なポジションならどこでもでき、今後も彼の力は欠かせない。
 期限付き移籍で補強した新戦力にも期待している。G大阪から加入したMF矢島は縦パスの技術とセンスが高く、自らゴール前に顔を出す機動力もある。神戸から加入の元日本代表FWハーフナーはパワープレーで力を発揮してくれそう。194センチの高さはクロスに合わせやすいし、前線のポストプレーで体を張れば他の選手が攻め上がる時間をつくることもできる。2人の力で攻撃を活性化してほしい。
 決勝進出を目指したYBCルヴァン・カップは6月のプレーオフで湘南との激闘の末に敗退したが、7位につけるリーグ戦はこれからが本番。ここぞの場面で全員の力を結集したカウンターを繰り出し、目標の5位以内に向けて力強く前進してほしい。(ベガルタ仙台クラブコーディネーター)


2018年07月17日火曜日


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