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不明者捜索、警察犬におまかせ 東北の出動件数大幅増加

自宅付近の草地での訓練で、においの付いた布を見つけたハッピーを褒める安倍さん=6月22日、仙台市内

 行方不明者の捜索を中心に警察犬を頼りにするケースが増えている。東北では、2008年に324件だった警察犬による不明者捜索が、17年は約1.7倍の566件と大幅に増加。県警ごとに直轄、嘱託に分かれるが、それぞれの形で活躍している。
 東北6県の警察犬の内容別、県別出動件数の推移はグラフの通り。08年に不明者捜索は犯罪捜査の約1.4倍にすぎなかったが、認知症高齢者の徘徊(はいかい)などが増えた影響で、直近は3.5倍を超えた。秋田、山形両県警は直轄犬を保有し、残る4県警は嘱託犬に委ねている。
 秋田県警は17年4月、初の直轄犬として雌のシェパード「マリー」(2歳)を導入した。出動できる犬の調整が必要となる嘱託犬と違い、「任務の時間帯や危険性を気にせず警察が出動を即断できるメリットが大きい」という。
 指導手として6月末までに60回以上、マリーと出動した県警鑑識課の佐藤仁美巡査部長(42)は「においが頼りの警察犬は時間が勝負。直轄の機動力を生かし、誰もが諦めかけた高齢不明者を発見するなど信頼感が増している」と話す。
 宮城県警は毎年、民間の犬約30匹を警察犬として嘱託する。ここ数年は県警OBの臨時職員安倍秀一さん(68)が飼う雌のシェパード「ハッピー」(5歳)の働きが目立つ。
 安倍さんは現役時代に「警察犬がいれば犯人が捕まるかもしれない」という場面で何度も犬の都合がつかなかった経験から、退職後に警察犬の育成を開始。ハッピーは15〜17年に県全体(241件)の2割以上の55件に協力し、18年も9日までに11回出動。捜査に不可欠な存在となっている。
 県警本部で6月29日にあった本年度の警察犬嘱託式には、犬の所有者や指導士ら23人が出席。安倍さんは「不明者家族の気持ちに応えられた時の達成感は格別だ。直轄犬がいれば理想だが、少しでも長くハッピーと力になりたい」と語った。

[警察犬]警察の犯罪捜査や行方不明者の捜索の際に出動する犬で、日本警察犬協会がシェパードやラブラドルレトリバーなど7犬種を警察犬種として指定している。警察保有の「直轄犬」と民間が飼育する「嘱託犬」があり、直轄犬は今年4月末時点で26都道府県の警察本部が導入している。


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2018年07月17日火曜日


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