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仙台のオフィスビル、高まる需要 20年ぶり空き室率5%台 企業の業績堅調、年内は改善傾向

増床した両毛システムズ仙台開発センターのオフィス

 仙台市内でオフィスビル空き室率の下降が進み、6月は約20年ぶりとなる5%台を回復した。東日本大震災前は20%台と空き室が目立っていたが震災後、復興需要や堅調な企業業績を背景に事業所の開設や拡張が相次いだ。市内では当面オフィスビルの新規供給がないことなどから、不動産関係者は「少なくとも年内は改善が続く」と予想する。
 自動車制御のソフトウエア開発などを手掛ける両毛システムズ(群馬県)は3月、JR仙台駅東口に近い宮城野区榴岡のビルにある仙台開発センターのオフィスを、従来の約170平方メートルから約400平方メートルに増床した。
 センターは2016年開設。当初メンバーは3人だったが、事業の伸展に伴い20人以上に拡大させた。曽我裕史所長は「首都圏は働き手の奪い合いになっている。東北で優秀な人材を確保し、仕事を増やしていきたい」と語る。
 オフィスビル仲介の三鬼商事仙台支店によると6月の空き室率5.80%は、1996年12月の5.40%以来の大台到達。5%は需給バランスの目安とされ、それより高ければ「借り手市場」、低い場合は「貸し手市場」とされる。
 市内の空き室率は97年から上昇し、仙台駅西口にアエルが完成した98年には10%を超えた。08年のリーマン・ショックとその前後にオフィスビルの大量供給が重なり、10年に20%台に突入。供給過剰になったが震災後、被災地で自社ビルが損壊するなどした企業が市内のビルに移転するなどして減少に転じた。
 別要因もある。不動産仲介・コンサルタント三幸エステートの森本泰史仙台支店長は「震災後、IT系企業立地に対する市の助成制度などの影響もあり、ITベンチャーやモバイル系企業、コールセンターなどが積極的に進出したことが大きい」と分析する。
 それでも市内のオフィス需要は、他主要都市と比べて低水準にある。三鬼商事仙台支店のまとめでは6月の東京、札幌、福岡の空き室率は2%台。大規模ビル建設が近年相次ぐ大阪や名古屋も3%台だ。
 関係者によると、仙台市中心部では複数のオフィスビル新築計画があるが、いずれも完成は20年以降が見込まれている。
 不動産サービス大手CBREの稲毛敦士仙台支店長は「仙台は18年下期に過去最低水準となるだろう。しかし19年には米経済の減速や消費税増税による景気の落ち込みが懸念され、上昇に転じる可能性がある」と指摘する。


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2018年07月18日水曜日


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