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東北の創立70周年の公立高、入学者減で苦境 43校が定員割れ、生き残りへ模索

全校民謡で太鼓を練習する大曲農高太田分校の生徒たち。同校は9月に創立70周年記念式典を開く

 創立70周年を本年度迎えた東北の公立高の多くが入学者減少で苦境に陥っている。いずれも1948年の学制改革を機に設立されたが、近年は過疎化や少子化の直撃を受ける。地域の若者が通う「町の高校」は生き残りへ模索を続ける。
 河北新報社のまとめでは、48年度に設立された東北の全日制公立高で、本年度の入学試験を実施したのは52校あった。43校の志願者が定員を下回り、このうち24校は1学級分の40人にも達しなかった(表)。
 旧制中や農学校を母体とする高校の分校として農山村に開校したケースが多い。ほとんどの学校がその後に独立を果たしたが、再び分校に戻る例も出ている。
 全国唯一の「りんご科」がある弘前実業高藤崎校舎(青森県藤崎町)もその一つ。黒石高藤崎分校としての創立から9年がたった57年に独立し、半世紀を経て藤崎園芸高から2008年度に再び分校化された。本年度末で閉校となる。
 東京電力福島第1原発事故で避難先の仮校舎での授業を続けた浪江高津島校(福島県浪江町)は昨年4月から休校している。学校自体は存続しているが、実質的に極めて厳しい状況での「70周年」となる。
 一方、学校の特徴をアピールして入学を促す意欲的な動きも目立っている。
 全校生徒49人の大曲農高太田分校(大仙市)は今月17日、生徒が月1回運営する「分校レストラン」を近くの温泉施設で始めた。
 メニューを考案した一人の3年戸部萌夏さんは「ハンバーグと新鮮なブロッコリーがお薦め。学校への注目度をアップさせたい」と抱負を語る。同校は生徒全員による「全校民謡」にも10年度から取り組んでいる。
 福島県塙町は町広報5月号で町内唯一の高校、塙工高の特集を始めた。毎号1ページを割いて生徒のインタビューや紹介記事を載せる。
 電子科(定員40人)の新入生が8人にとどまり、学校の存続に危機感が高まる。町の担当者は「多くの卒業生が地元の製造業に就職している。学校がなくなると、町の将来にも大きな影響が及ぶ」と懸念を抱く。

[学制改革]教育機会の均等を図り、教育の民主化を進める目的で小中高校と大学の教育課程を「6.3.3.4」の単線型に改めた。1947年度から順次実施し、高校は48年度に新制度に移行した。52年には全国の4506高校に約234万人が在籍した。


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2018年07月18日水曜日


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