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<変わる小学英語・宮城の教室から>(4)商機 力入れ始めた学習塾

学習塾で英語の「多読多聴」に取り組む児童ら。読み書きに力を入れる塾が増えている=6月26日、仙台市泉区の能開センター泉中央校

 仙台市泉区の学習塾「能開センター泉中央校」で6月26日夕、小学6年生2人が英語学習法の一つ「多読多聴」に励んでいた。

 「It’s summer(夏です)」「It’s winter(冬です)」。写真やイラストが豊富な英語の絵本を黙読した後、CDでネーティブの発音を聞き、音読を繰り返す。講師のチェックを受けると、学んだ単語数を記録し、次の絵本に手を伸ばす。

<受験視野に>
 小学5、6年向け英語講座は4月に開講したばかりだ。単語の書き取りなどにも力を入れ、「聞く、話す、読む、書く」の4技能を指導する。同校責任者の清水野和彦さん(53)は「2年間で1000語が身に付く」とアピールする。

 小学6年の息子を通わせる泉区の母親(40)は「塾で学んでおかないと大学受験で首都圏の子にかなわない」と案じる。

 学習塾はこぞって小学英語に力を入れ始めた。背景には文部科学省が進める英語教育改革がある。2020年度から小学5、6年の英語が教科化され、大学入試で英語4技能を測る民間検定試験の活用が始まる。

<生徒獲得へ>
 ある教育産業関係者は「国の施策が大きく変わるとき、民間ビジネスも変わる」と語る。少子化で競争が激化する学習塾業界は、英語教育の変化の局面を大きな商機と捉え、生徒獲得に躍起となっている。

 県内35カ所にある幼児、小学生向け英会話教室「ハッピードルフィンズ」は4月、小学校の新学習指導要領に対応するため、カリキュラムを見直した。従来の「聞く、話す」中心の内容に加え、「読む、書く」の2技能の指導を強化した。

 運営する県学校用品協会(宮城野区)の中舘弦大こ〜ぷ家庭教育センター長(36)は「英語は今でも習い事の上位3位に入る。英語熱が高まれば、需要がさらに伸びる可能性がある」と指摘。教室拡大や新規事業などの戦略を練る。

<教員も利用>
 英会話教室運営のイーオン(東京)では小学5、6年の英語教科化を控え、小学校教諭の利用者が増えている。仙台市内3校は6月時点で前年同期に比べ約6割増。同社は教員研修の受託事業を手掛けており、県内でも機会をうかがう。

 学習塾運営の仙台進学プラザ(若林区)は難関公立高受験を目指す小学5、6年を狙い、英語4技能を鍛える新講座を9月に始める。中学1、2年の学習内容を小学生で終える。

 岡島武執行役員(55)は「読み書きは一夜漬けが利くが、『話す、聞く』を身に付けるには年単位の時間が必要」と説明。「今回の教育改革で塾はふるいにかけられる。子どもの将来へレールを敷ける塾しか生き残れない」と強調する。


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2018年07月19日木曜日


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