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<変わる小学英語・宮城の教室から>(5完)宮教大・鈴木渉准教授に聞く 教員の指導力向上を

すずき・わたる カナダ・トロント大オンタリオ教育研究所博士課程修了。専門は英語科教育。09年宮城教育大専任講師に就任し、12年4月から現職。岩沼市出身。40歳。

 学習指導要領改定に伴い、小学5、6年で英語が教科となり「聞く、話す」中心の外国語活動が高学年から3、4年に前倒しされる。小学英語の実情に詳しい宮城教育大の鈴木渉准教授に、英語教育早期化の是非や、2020年度の全面実施に向けた課題を聞いた。
     
<活動は順調>
 −英語教育の早期化についてどう考えるか。
 「早期化は欧州やアジアの国々でも進んでおり、世界の流れだ。だが、英語力向上は早期化だけで全て解決するわけではない。優れた教材の開発や教員の養成と研修、子どもが学ぶ動機付けなど、さまざまな要素が組み合わさった時に初めて効果が出る」

 −11年度に必修化された小学5、6年の外国語活動をどう評価しているか。
 「14年度の文部科学省調査で、子どもたちがおしなべて楽しんでいる様子が示された。中学生が英語に積極的に取り組むようになったことも分かった。外国語活動はうまくいっている」
 「外国語活動は音声中心の指導のため、中学生になって文字や文法を学ぶときにギャップが生じている。他教科が高度な学習をする中、ゲームや歌が中心の外国語活動に飽きる子もいる。発達段階に応じた外国語教育が求められている」

<研修足りず>
 −英語の教科化に不安を抱く教員も少なくない。
 「教科になると、体系的に教えるだけでなく、数値による成績評価を付けることになるが、現状では教員の研修が追い付いていない。教員に英語力がないと、子どもたちがどの程度理解しているか、適切に把握することが難しい」

 −学校や市町村で児童の学習到達度にばらつきが出る懸念もある。
 「同じ中学校区の小学校では同じように勉強してもらわないと、中学での指導が大変になる。県教委や市町村教委が(英語指導の)基準を決めた方がいい。小中や小学校における中高学年の連携も重要になる」

 −20年度の全面実施に向けた課題は。
 「第一は教員の指導力。小学校では日常生活を題材に英語でやりとりするため、児童への理解がある担任が授業を進めた方がうまくいく。全教科を扱う小学校の先生には教えるスキルがあるので、教科化に対応した英語の指導力を向上させるよう努力してほしい」
 「ゆとり教育からの脱却に伴い、小中高全てで学習量が増えている。授業時間を生み出すには、土曜日授業の復活や夏休み期間の短縮で対応するしかないのかもしれない」(聞き手は報道部・小沢一成)

 


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2018年07月20日金曜日


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