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<東北の本棚>循環型社会の構築提言

自然エネルギーのソーシャルデザイン 大内秀明、吉野博、増田聡 共編著

 東日本大震災と震災に伴う東京電力福島第一原発事故は、人々にこれまでの消費活動や、労働と産業の在り方について考え直すきっかけをもたらした。本書は仙台で活躍する社会科学系の大学教授らが執筆。エネルギーと国民生活の関係を検証し、大量生産・大量消費社会からの脱却と、再生可能エネルギーの活用による「循環型社会」の構築を提言している。
 総論と各論の2部構成。総論では、被災地の復興との観点から、仙台市と市南部を流れる二つの河川に注目。流域圏に「名取川・広瀬川自然エネルギー・スマートコミュニティ」と名付けた新たな地域社会の創出を呼び掛けている。
 「スマートコミュニティ」の核となるのは、太陽光、風力、中小水力などによる再生可能エネルギーの地域内生産。エネルギーを産出する農村部と消費する近隣都市部との結び付きが強まり、エネルギー供給量に見合った地域資源型産業が創出されることによって、既存のビジネスモデルやライフスタイルの転換が促されると主張する。
 第2部では各地にある「ご当地エネルギー事業」の現状と課題を報告。新たな共同体を構想する上で、「利益追求ではなく社会貢献を前提としたコト、モノのデザイン」であることが重要だと説く。
 鹿島出版会03(6202)5200=2484円。


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2018年07月22日日曜日


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