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国境超え農家にエール 米・日系3世タナカさんら被災地支援

支援金の目録ボードを手に笑顔を見せるタナカさん(右から3人目)と内藤さん(同2人目)

 東日本大震災の被災地の農業を応援しようと、米カリフォルニア州で農場を経営する日系3世のグレン・タナカさん(61)が被災3県の農家らに支援金を贈るプロジェクトを続けている。タナカさんらは18日に山元町を訪れ、震災後に同町で新規就農した内藤靖人さん(32)に650万円を届けた。

 タナカさんは祖父が広島県出身。震災で多くの農家が被災したことに心を痛めて仲間の日系人らと2011年から毎年、自身の農場でチャリティーイベントを開いている。
 6月中旬にあった8回目のイベントには約2000人が参加し、広大な農園を歩いて新鮮な野菜や果物を食べた。園内には震災を伝えるパネルや被災地の物販コーナーも設置されたという。
 プロジェクトは昨年までにイベントの入場料など約4000万円を集め、農家14人や農業を学ぶ岩手大の学生らに贈ってきた。
 タナカさんらは日本の知人を通じて内藤さんの起業精神や被災地活性化への思いを知り、支援を決定。今年から5年で計約2500万円を贈る。
 内藤さんは埼玉県出身。11年にボランティアで山元町に入った。町民との交流を通じて山元への思いが強まり、13年、新規就農者として移住。本年度、町が沿岸部に整備した農地など計約5ヘクタールでニンニクやマコモを作付けする。
 内藤さんは23年度までに就農希望者約10人を雇用した上で、独り立ちを支援する計画をタナカさん側に示している。支援金は新規雇用者の賃金や農機具購入などに充てられる予定。
 18日に町役場で支援金の贈呈式があり、タナカさんは「若い就農者を町に連れてくるという内藤さんの計画に参加できてうれしい」と激励。内藤さんは「米国から山元のことを思っていただき、心強く感じた」と感激した面持ちで話した。


2018年07月24日火曜日


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