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<山形大アカハラ自殺>第三者調査委の報告書、分かれる専門家の評価

 最大の争点となっている第三者調査委の報告書は訴訟でどの程度、重視されるべきなのか。大学や企業の相次ぐ不祥事でその役割が重みを増す中、専門家の間でも証拠としての評価は分かれている。
 「調査委が黒といえば、大学も黒と認めざるを得ないというものではない」と指摘するのは、大分県弁護士会所属の麻生昭一弁護士。2015年2月に大分大経済学部の男子学生が自殺した問題で、元講師によるアカハラが自殺の原因になったと認定した調査委の委員長を務めた。
 調査委の報告書について麻生氏は「あくまで専門的見地からの意見の一つ。法的拘束力はなく、裁判所は独自に判断するのが妥当」と説明する。
 一方、職場のハラスメント問題に関する著書がある仙台弁護士会所属の神坪浩喜弁護士は「一般的にアカハラと自殺との因果関係の立証はハードルが高いが、調査委が明確に認めていて客観性も保たれていればかなり有力な証拠となる」とみる。外部有識者4人で構成された調査委についても「大学から離れた人が調査する方が、信用性は高いと言える」と話した。
 NPO法人「アカデミック・ハラスメントをなくすネットワーク」(大阪市)の御輿(おごし)久美子代表理事は「調査結果の内容にかかわらず、裁判になると争う大学が多いが、学生や地域の信頼は低下しかねない」と強調。山形大が懲戒処分書で、因果関係に踏み込まなかった点については「ハラスメント加害者が処分を不服として訴訟に発展するリスクを想定し、毅然(きぜん)とした対応を取れなかった可能性がある」と分析する。


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2018年07月24日火曜日


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