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<鈴木酒造・本みりん>オンザロックやカクテルでも 本格販売開始

本みりんを醸造する蔵人たち

 鈴木酒造店長井蔵(長井市、鈴木大介社長)は8月、日本酒などと同様に飲んで味わう高級本みりん「黄金蜜酒(こがねみつざけ)」を発売する。同社によると、東北で本みりんを醸造、販売する酒蔵は初めて。今後、講習会を開き、オンザロックやカクテルなど新たな飲み方を提案していく。

 製法は蒸したもち米に米こうじを混ぜ、自社製のかす取り焼酎を加えて熟成させる。一般的な本みりんで行われる加熱処理はせず、冷蔵貯蔵で焼酎の荒さをしずめ、琥珀(こはく)色のまろやかな味に仕立てた。
 アルコール度数は13前後で、酒やリキュールのように味わえる。調理用に使っても料理の味が引き立つという。
 同社は2016年夏に仕込んだ本みりんを今年3月、500ミリリットル入り1瓶1300円(税別)で計1500本、試験販売した。消費者らに好評だったため、1.8リットル瓶(価格未定)との2種類で本格販売することにした。当面、1.8リットル瓶は年間2000本ほどの出荷を見込んでいる。
 みりん造りは、毎月数トン単位で出る酒かすの再利用を模索する中で浮上。肥料に使うアイデアを実現するため、アルコール分を除去しようと、かす取り焼酎を製造したところ、タンパク質やビタミンなどの栄養素が豊富で、みりん原料にうってつけだった。
 残った酒かすは、自社用の酒米や地元特産の行者菜の栽培に肥料として利用されているほか、米沢牛の肥育飼料、雑草の抑制剤などにも用途を拡大。地域での持続的な資源循環に貢献しているという。
 杜氏(とうじ)でもある鈴木社長は「江戸時代、みりんは高級酒だったが、海外の安い原料を使った商品が多く出回り、今は調味料として定着してしまった。香り高い、本来のみりんを広く知ってもらいたい」と話す。
 同社は今後、味わい方講座を開き、炭酸や紅茶で割ったりスイートバジルを加えたりする飲み方、ピザのトッピングソースとしての使い方などを幅広く紹介していくという。
 福島県浪江町の鈴木酒造店は東日本大震災の津波で被災し、長井市に新たな拠点となる長井蔵を設け、操業を続けている。


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2018年07月25日水曜日


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