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<白球は未来へ>鶴岡野球教室の挑戦(中)部活改革 増す存在意義

鶴岡野球教室で学ぶ小学6年生ら。スポ少よりも高度なプレーの指導を期待する=鶴岡市の鶴岡ドリームスタジアム

 ゴロに一直線に突っ込んで、シングルキャッチからランニングスロー。体が流れるように動く。
 5月下旬、鶴岡市の鶴岡ドリームスタジアムの室内練習場。鶴岡野球連盟が運営する鶴岡野球教室で、市内外の小学6年生約20人がノックを受けていた。
 逆シングルやグラブトスを含め、小中学生がやれば「基本がなっていない」と叱られそうなプレーが、ここではタブーではない。運動神経が発達し、「ゴールデンエージ」と呼ばれる小中学生のうちから、あえて基本プレーとして、こうした体の使い方になじませる。
 連盟の後藤克人強化指導部長(55)は「小学野球のベースとなるスポーツ少年団が女子や4、5年生を入れないとチームが成り立たない時代だ。教室では質の高い練習をさせてあげたい」と力説する。
 少子化で鶴岡市に10年前には約600人いたスポ少の野球人口は今や半減。合同チームが増えるなどスポ少の足腰が弱る中、教室は上達を望む球児のよりどころとなっている。
 市上郷小6年佐藤授(さずく)君(11)は「スポ少も入っているけど、教室は高校など上のレベルにつながる練習ができるのがいい」と目を輝かせる。

 「夏季の練習は午後5時45分まで」「保護者らの管理下ではもう1時間可能」「平日は週4日まで」「毎週日、月曜日は原則休み」
 鶴岡一中でこの夏から完全実施される部活動に関するガイドラインだ。教員の負担軽減などのため、中学野球界でも部活動では担いきれない高度な練習を提供できる教室は、存在感を増している。
 同中2年の野球部員で教室に通う佐藤叶人さん(13)は「部活動は練習量が少ない。高校野球に向けて教室でもっと学びたい」と語る。
 同中野球部の佐賀井隼人顧問(24)は「教員の負担抑制は時代の流れ。今後は中学校でも野球部員の減少で廃部の恐れが出てくる。教室は野球を続けたい生徒の貴重な場所になる」との見方を示す。

 部活動に保護者や地域の指導者の参加がより求められていく中、連盟が2001年に全国に先駆けて設けたアマチュア指導者の資格制度にも改めて注目が集まっている。
 連盟は小中学校などの指導者に対し、年3回主催する講習への参加を義務付け、一定の単位を取ってトレーニングや栄養管理の知識を習得しない限り、主な公式試合のベンチ入り資格を与えない。
 鶴岡南高野球部の松浦幸喜監督(48)は「専門的な知識のある指導者が周りに多くいることは、小中学生のレベルが上がってきた一因だ」と指摘する。
 連盟の渋谷益生会長(73)は「少子化や部活動制限の流れの中で、教室の意義はどんどん増している」と断言する。


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2018年07月25日水曜日


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