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<脈動 参院選まで1年>(上)消える指定席/1人区 問われる地力

愛知氏(右奥)の国政報告会で講演する石破氏
街頭に立つ桜井氏(左)と玉木氏

<引き分けなし>
 与野党が議席を分け合った「指定席」が東北から姿を消す。
 「宮城の選挙が難しいことはよく分かっている。改選数は1。極めて厳しい」
 森友、加計問題を巡り野党の追及が激しさを増した6月下旬。仙台市であった参院選宮城選挙区の自民党現職愛知治郎(49)の国政報告会で、駆け付けた元党幹事長石破茂は警鐘を鳴らした。
 2001年と07年は旧民主党、13年は旧みんなの党の公認候補とともに議席を獲得。2人区だった宮城選挙区は16年から改選数2が1に減り、愛知は来夏、4選を懸けて初めて1人区に臨む。
 過去3回でトップ当選は13年のみ。野党同士が票を食い合った結果だった。愛知に先立ち自民現職が1議席を争った16年は野党に敗れている。
 石破が警戒するのはそうした宮城の政治風土にほかならない。「もう引き分けはない。白か黒かだ」と自民県連関係者。地力が試される戦いが近づく。
<旧民進3分裂>
 16年の宮城選挙区で野党の1議席を死守した桜井充は今月15日、国民民主党共同代表玉木雄一郎とともに市中心部の街頭に立った。
 旧民進党現職で4選を果たした桜井は、野党統一候補として共産党を含む共闘のみこしに乗って自民現職を振り切った。旧民進勢力は国民、立憲民主党、無所属に3分裂し、桜井は国民の県連代表を引き受ける。
 5月の結党以来、支持率は1%に届かず厳しい船出を強いられる。「東北は野党が連携すれば勝てる地域だ」。玉木は「国民結党を野党再結集の第一歩にしたい」と力を込めるが、桜井を勝利に導いた陣立ての再現は現時点で見通せない。
 玉木を迎えて開催した県連結成大会後、有権者に向かってマイクを握った桜井は「仲間がまた一緒に戦えるよう努力する」と語るのが精いっぱいだった。
<閣僚の落選も>
 宮城の前に13年から1人区の福島選挙区。同年、16年と与野党現職がサバイバル戦を演じ、1勝1敗で来夏を迎える。
 3選を狙う自民現職森雅子(53)が郡山市で1日開いた政治資金パーティーには経済産業、環境、復興の3閣僚が顔をそろえた。森は目に涙を浮かべ「福島の子どもたちのため全身全霊で働く」と語った。
 公示日に首相安倍晋三が福島入りした16年は現職閣僚が落選。17年衆院選も安倍は第一声の場所に福島市を選んだが、福島1区の党現職は接戦を落とした。
 東京電力福島第1原発事故から7年半を経てもなお災禍にあえぐ福島で、安倍政権が「復興」をうたうほど民意は遠のく。自民県連幹部は「気を抜けない戦いになる」と引き締める。
 与党の圧勝に終わった17年衆院選だが、県内の比例代表得票は野党勢力が自民を大きく上回った。対立候補擁立を目指す国民県連の亀岡義尚幹事長は「衆院選の経験からも野党が結集しないと勝てない」と共闘の再構築を誓う。
             ◇
 「安倍1強」ムードが与党内を支配する中、参院議員の任期満了まで1年に迫った。政権奪還の余勢を駆って自民が圧勝を収めた13年、共闘態勢を築いた野党が反転攻勢に出た16年。民意が振り子のように行き来する東北の前哨戦から来夏を占う。
(敬称略)


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2018年07月28日土曜日


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