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<道の駅「遠野風の丘」> 素通りさせるな!誘客大作戦 通年企画や施設改修も

遠野市が市内観光の入り口に位置付ける道の駅「遠野風の丘」

 遠野市の道の駅「遠野風の丘」で、創業20周年記念の大掛かりな感謝祭が始まった。市内を横切る東北横断道釜石花巻道路の全線開通を見据え、道の駅で集めた観光客を周辺に回遊させる戦略だ。巨額投資による道の駅改修工事も進んでおり、まちを挙げて「素通り阻止」の誘客大作戦を展開する。
(釜石支局・東野滋)

 月替わりで各種イベントを繰り出す通年企画「20周年感謝祭」は6月にスタート。来年3月までの立ち寄り客で前年同期比20%増の数値目標を掲げる。道の駅を除いた市の観光客数も2017年度から2万2000人増の45万人を目指す。

<交通量4割減少> 
 市内は15年12月に遠野インターチェンジ(IC)の利用が始まって以降、道の駅周辺の交通量が約4割も減少し、関係者に困惑が広がった。
 ただ、本年度中に全通する利用無料の釜石花巻道路は80キロの全区間にサービスエリアなどの休憩場所が1カ所もない。市観光交流課は「遠野ICは路線の中間点に位置する。下りてすぐの道の駅を、今からアピールすることが重要だ」と強調する。
 感謝祭の事業費1639万円はほぼ全額を市が支出し、運営は新設された市観光推進協議会が担う。観光に関係する地元の団体や事業者が結集した協議会にとっては、今後を占う試金石となる。
 しかし肝心の市内への観光客回遊策は「今後、協議会で練っていく」(市観光交流課)にとどまり、出遅れの印象は否めない。6月以降、天候に恵まれて周辺への波及効果が見え始めていただけに具体策づくりが急務だ。

<多額の累積赤字> 
 道の駅をはじめとする主要観光施設を指定管理する第三セクター遠野ふるさと公社にとっても、感謝祭は正念場になる。来場者や売り上げの減少で累積赤字が過去最大の4010万円に達しているからだ。
 特に盛岡市内の大型商業施設に進出したアンテナショップ「結いの市」は開設以来12年連続の赤字で、市議会からは存続を疑問視する声も上がる。
 菊池美之(よしゆき)常務理事は「釜石花巻道路全通後も盛岡圏からの誘客の重要性は変わらず、情報発信拠点として維持したい。地場産品の販売や雇用など公社が果たす役割は大きく、危機感を持って感謝祭に臨む」と理解を求める。

<観光の底上げに>
 市は20年度まで約10億7300万円を投じる道の駅改修計画を進めている。費用対効果の面でも一層の集客増は欠かせない。
 市観光推進協議会長で公社の理事長でもある本田敏秋市長は「道の駅へのてこ入れは公社への経営支援ではなく、集客力をさらに伸ばして活用していくための取り組み。遠野観光全体の底上げにつなげたい」と話す。


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2018年07月30日月曜日


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