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<多賀城市長選>候補者の訴えと横顔

 29日告示された多賀城市長選は、いずれも無所属で、4選を目指す現職の菊地健次郎氏(71)=自民・公明推薦=、新人の元名取市副市長石塚昌志氏(64)、新人の元市議伊沢貞夫氏(72)が8月5日の投票日に向け、論戦を繰り広げている。東日本大震災からの復興政策や地域活性化策など、3氏の訴えと横顔を紹介する。

◎復興完遂自らの手で/菊地健次郎さん

 大規模な復興事業は、市域を南北に結ぶ津波避難の市道2本が完成すると、ほぼ一区切りとなる。「物流路として経済効果も期待する。橋の渡り初めをしたい」と語り、復興を自らの手で成し遂げようという思いを強くにじませる。
 JR仙石線多賀城駅前の再開発ビルに入居する市立図書館は、当初予想の年間120万人を上回る利用者でにぎわい「へそのないまち」とされた市に核ができつつある。「文化センターや東北歴史博物館、多賀城跡などを結び、東北随一の文化交流拠点を目指す」
 文化交流拠点の機能強化として、国立地震津波ミュージアム構想を抱く。「東日本大震災だけでなく、869年の貞観地震で大きな被害を受けた歴史がある。総理に直談判したいほどだ」と熱意を語る。ただ、他自治体の動向があり、先行きは不透明だ。
 毎朝5時半に起床し、30〜40分間の散歩を日課にしている。左党だが週に1日は休肝日とし、医師からは健康面に太鼓判を押されたという。
 息抜きは家族との温泉旅行。趣味の映画は「ドクトル・ジバコ」がお気に入り。
 同市下馬の自宅に妻なつえさん(70)、次女と3人暮らし。

[きくち・けんじろう]1947年1月26日、塩釜市生まれ。中大卒。不動産会社に勤務し、塩釜青年会議所理事長。市議2期、県議3期を経て、06年の市長選で初当選した。

◎まちづくりプロ自負/石塚昌志さん

 建設省(現国土交通省)に入り、北海道や東京都、堺市などの自治体に出向し、本省では都市局や河川局を担当した。震災後は復興庁宮城復興局復興推進官を務め、石巻市をはじめ沿岸5市町と国を結ぶパイプ役を担った。
 国から予算を獲得するこつを熟知した「まちづくりの専門家」を自負する。市が進めている現地再建の復興に対し、再度の津波被害を懸念する。「命を守るため、いち早く情報を伝えるシステムが必要になる」と指摘する。
 小学4年から大学院修了まで多賀城市で暮らし、自宅近くの東北学院大工学部を遊び場に育った。豊富な行政経験を生かし、古里への恩返しを誓う。「発展材料がそろう多賀城が元気にならなければ、東北に活性化はない」と言い切る。
 趣味は仕事という。「楽しんでやった方がいい。酒席でも仕事の話ばかりなので、煙たがられていたかもしれない」と苦笑いする。
 散策や食べ歩きも好きで、ほぼ2年おきにあった転勤も旅行気分で楽しんだ。レシピ本の掲載順に食事を手作りするほど料理に凝り、10年以上続けている。
 妻牧子さん(61)と息子2人を東京の自宅に残し、同市八幡に1人暮らし。

[いしづか・まさし]1954年4月12日、長野県松本市生まれ。東北大大学院工学研究科修了。80年建設省(現国土交通省)入り。14年から4年間、名取市副市長を務めた。

◎若者集う10万都市に/伊沢貞夫さん

 「多賀城は気候は温暖、交通も便利で、住みやすい。伸びしろはあるのに、人口がなかなか増えない」
 企業誘致や若者が集まるまちづくりを進め、10万都市の実現を公約に掲げる。大規模な複合型の道の駅整備を柱に据える。多賀城跡に近い三陸自動車道多賀城インターチェンジの北側に造り、多種多様な店舗や施設を設けて3000人の雇用を生み出す考えだ。
 「行動力と決断力が足りない。他の沿岸被災地に比べ、国からの復興予算の獲得も少ない」と現市政を批判する。
 70歳まで務めた消防団の人手不足を憂い、震災をはじめさまざまな災害に伴う出動が増えた現状を踏まえ、手当を増やして団員を確保すべきだと訴える。
 市長選立候補は2回目。今回はイメージ戦略を重視し、選挙ポスターを似顔絵にした。「同じことをしても勝てない。何事もチャレンジ精神が大切だ」
 民謡好きで、小学生のころから唱歌にこぶしが入るほど。25歳までプロ歌手を目指したという。現在も芸能事務所に所属し、結婚式の司会を務めながら自慢ののどを披露している。
 子ども3人は独立し、同市伝上山の自宅で1人暮らし。

[いさわ・さだお]1946年2月12日、多賀城市生まれ。塩釜高卒。国鉄勤務を経て、不動産建設会社を経営。市消防団分団長のほか、06年から市議を1期務めた。


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2018年07月31日火曜日


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