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<E番アナの応援席>古川投手の武器/周囲も巻き込む優しさ

菅生翔平アナウンサー

 東北楽天は後半戦に入ってから好調が続いています。これまで結果が出ていなかったホームでも日本ハムに2連勝。2戦目は古川侑利投手がパ・リーグ相手に初勝利。6回は日本ハムの主軸、中田、アルシア、レアードを3者連続三振に仕留め、お立ち台で「自分では出来過ぎかなと思う」と謙虚な古川らしいヒーローインタビューでした。
 夏の甲子園も間近ということで、高校時代の古川のエピソードを紹介します。
 佐賀・有田工高での3年間は、自宅から約20キロ離れた学校に自転車で通う日々。山を越えての2時間通学で自然と下半身が鍛えられたそうです。さらに、プロ選手を目指す上で野球部の監督と相談し、ウエートリフティング部の練習に週1回ペースで参加。スクワットで230キロのバーベルを上げ、全国でも強豪のレスリング部員顔負けの強靭(じん)な下半身になりました。
 家族も熱心に古川を支えました。高校3年時には古川の母がいったん仕事を辞め、甲子園を目指す古川をサポートしました。
 小学生時代、母親が仕事で試合を見に来られなかったとき、古川は「勝ち進んだらお母さんが見に来てくれるから絶対に勝つね」と話したそうです。古川の優しさが伝わってきますね。これが心に残っていたお母さまは仕事を辞めるという決断をしたようです。
 その支えもあり、古川はエースとして夏の県大会で7試合935球を一人で投げ抜き、有田工高を初の甲子園出場に導きました。
 古川の強靭な下半身から繰り出されるストレートには、支えてくれた家族や高校時代の監督の思いが込められています。
 今季は2軍からスタート。与田2軍投手コーチが「投球の幅が広がった」と話すほど投球術を高めました。6月にプロ初勝利を手にした際は「やっとプロ野球選手になれたと思う」と話しました。その1カ月後には一線級の選手たちから三振を奪えるように。現在は塩見貴洋投手に変化球の教えを乞い、さらなる進化を図っています。
 プロでは優しい選手は大成しないとも言われています。ただ、周りをも巻き込む古川の優しさは、この厳しい世界できっと武器になってくれるはずです。
(東北放送アナウンサー)


2018年07月31日火曜日


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