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市民プール、水漏れ修理できず再開絶望的 なぜ? 遺跡とほぼ重なるエリア、補修困難

3シーズン休止が続く大鳥公園市民プール。底面がゆがむなど劣化も進んでいる

 秋田県横手市の大鳥公園市民プールが地下排水管からの水漏れを修理できず、2016年夏から3シーズンも休止が続いている。同公園は10年に国史跡に指定された大鳥井山遺跡とほぼエリアが重なり、水漏れを直そうにも遺跡の現状変更を伴う補修ができない。プールは老朽化も進み、再開は絶望的だ。

 市によると、排水管はプールの地下約2メートルにある。修理には周辺の土を掘る必要があるが、遺跡を傷つけずに施工するのは難しい。
 文化財保護法は国の史跡の現状変更を規制する。市も遺跡の保存管理計画で「史跡の保存、管理、活用に関わるものを除き、現状変更を認めない」と定める。
 プールは1978年に開場。2016年7月に水漏れが判明した。水道代がかさみ、水温も上がらない状態になった。市は16年3月にプールを市有施設の長寿命化計画の対象に指定していたが、地中の修理を断念して同年夏から休止した。
 05年に市町村合併する前の旧横手市は、プールの整備当時に遺跡調査を実施していた。合併後の06年からの追加調査で平安時代後期に北東北一帯を治めた清原氏の根拠地「大鳥井柵」だったことが濃厚となり、国の史跡に指定された。
 プールの建設工事によって貴重な堀や土塁の一部が削られ、失われた。史跡を守る観点から、今は市内部で「遺跡の価値を考えるとそもそも造るべきではなかった」(文化財保護課)との声もある。
 施設は旧市域で唯一の市民プールで、長さ50メートルの競技用と遊戯用がある。休止前は例年7、8月に営業した。家族連れでにぎわい、児童の水泳競技会も開かれた。
 市スポーツ振興課の加藤貞純課長は「再開は非常に難しい。新設を含め、市民プールの在り方を再検討しければならない」と話す。

[大鳥井山遺跡]10世紀後半から11世紀末に横手盆地を治めた豪族清原光頼(みつより)・頼遠(よりとお)父子の根拠地だったとされる。横手市北部の丘陵にあり、西、南、北の三方を川に囲まれている。11世紀代の城館遺跡が確認されることは珍しく「日本最古の山城」とも呼ばれる。


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2018年08月02日木曜日


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