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<気仙沼みなとまつり>あす開幕 妻よ空から大競演見て

楽器を鳴らしながら練習を盛り上げる佐藤さん=7月、気仙沼市民会館

 気仙沼市の夏を彩る「気仙沼みなとまつり」が4日、開幕する。2日間、街頭パレード、太鼓の打ちばやし大競演、花火など多彩な演出が港町を盛り上げる。
 4日は内陸部の田中前地区で「はまらいんや踊り」があり、色鮮やかな法被などを着た68団体の約3000人が踊りを披露する。
 5日は港町臨港道路で太鼓の打ちばやし大競演があり、船で太鼓演奏する「海上うんづら」が会場を盛り上げる。祭りのフィナーレとして夜には海上から2400発の花火が上がる。

◎太鼓打ちばやし団体 まとめ役佐藤さん奮闘

 26団体800人が参加する太鼓の打ちばやし大競演は、気仙沼市の会社経営佐藤安広さん(55)が今年もまとめ役を務める。東日本大震災の津波で妻を亡くした悲しみを乗り越え、「祭りに関わる全員が楽しめる演奏をしたい」と意気込む。

 市内の太鼓愛好団体が集まり、海沿い300メートルで演奏する大競演。佐藤さんは各団体の代表らでつくる「打ちばやし大競演幹事会」の幹事長を会が発足した2008年から務める。
 かつては各団体が別個に演奏。場所や演奏時間を巡り、団体間で言い争うこともしばしばだった。「協力して祭りを盛り上げよう」との機運が高まり、幹事会初会合で司会を務めた佐藤さんが幹事長に就いた。
 団体間の調整をし、祭りの4カ月前から始まる練習の日程や場所を確保。本番の演奏時間や演奏者の組み合わせも決める。全てボランティアだが「地域に生きる人間として自分に課せられた役目」と受け止める。
 10年に幹事長を別の団体メンバーの男性に譲った。だが、男性は震災の津波で亡くなり、再び佐藤さんが引き受けた。
 市内にある佐藤さんの会社も1階が津波で浸水。妻よし子さん=当時(46)=は勤務先から自宅に車で戻る途中、津波に流された。遺体は10日後に見つかった。
 佐藤さんが所属する太鼓団体「太鼓学舎 ね」のメンバーの一人は「家族を亡くしたことは口にせず、明るく誰にでも気を配る。佐藤さんだからこそ、みんなが付いていく」と明かす。
 今年の合同練習は7月下旬まで計13回に及んだ。佐藤さんは「精いっぱい練習を積んだ。見物客には少しでも気仙沼の文化を感じてほしい。楽しい祭りだから」と笑った。


2018年08月03日金曜日


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